第59話 ブランの歓迎会

「ま、まぁ何はともあれ蒸留所の稼働が決まった事だし。それを祝して‥‥‥乾杯!!」

「「「かんぱーい!!!!」」」


 さすがドワーフ、酒の前では切り替えが早い。

 今日集まったのはロキソ達ドワーフ三人、セリス達四人、フルル、ブルーさん、ブランさん、俺とティナだ。


 俺の席はティナとフルルとセリスに囲まれていた。


「ここでもポタート揚げを出す事になったんじゃ。ワシのお陰じゃぞ」

「‥‥‥コレほんとに美味しい」

 ロキソがドヤってくる。

 ロキソは今やここの一番の常連らしい。

 フルルは夢中で食べている。そんなに好きか。


 ロキソのエールのお代わりを持ってきた店員さんに話しかけられた。

「お陰で売れ行きも順調です、エドガー様」

「それは良かったです」


「エドガーよ! オマエ最近ワタシに冷たくないか?」

「いや、セリス。単に行き会わなかっただけだろ」


「‥‥‥フルルも寂しかったのです」

「‥‥‥ごめん」 

 セリスはいつも取り巻きがいるからいいけど、フルルは基本一人で見張り台にずっといるんだもんな。なかなか辛いと思う。

 ちなみに今は他の見張り番と交代している、当然だけど。


「エドガー様は次々といろいろな物を創り出していて大変忙しいのです。あなた方は少しくらい我慢なさい」


 ティナが諭せばセリスとフルルが反論する。


「ティナはいつも一緒にいるじゃないか!」

「‥‥‥ずるいです」


「ふふふ、ワタシは特別なのです」

「マウントうざっ!」

「‥‥‥フ、フルルだっていつも外敵を排除してエドガー様を守ってますから!」


 なんか女子三人で盛り上がってる。

 今のうちに席を離れよう。


こそこそ‥‥‥


 でもすぐにティナに見つかった。

「エドガー様!? 何処に行かれるのですか!?」

「‥‥‥トイレだよ」

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