第25話 避難訓練③

 子供達には楽しく厳しく教えてあげた。

 それにあたり一つ頼み事をした。


「銃を持っている家の子、明日来る時に家に置いてある銃を持って来てくれるか? 『エドガーが言ってた』って言えば多分大丈夫だから」

「「「はーい!」」」


 あと3日で襲撃予定日だ。

 ‥‥‥襲撃予定日って変な言葉だけどな。


 進捗状況の確認にドワーフ達の所へ行ってみるか。


カーン! カーン! カーン! カーン!

 

 ちょうどお昼らしい。

「ロキソ、いるー? 調子はどう?」

「おぉ、坊よ。なーに、調子は万全よ。今日はどうした? まーた追加注文じゃなかろうな?」


 この間さらに思いついたが。さすがにこれ以上頼むのは心苦しい。

 

「弾丸がたくさん必要なんだ。余ったら使わなきゃ良いのでとにかくたくさん作ってくれ。あの武器は後回しで構わない」

「わーっとる。だが弾丸の材料の魔石が足りなくなりそうじゃ」


「そうか、今セリス達に森の様子を見に行ってもらってるんだ。ついでに魔石も拾って来るように頼んである」

「ほう、見越しておったか。さすがじゃの。これが終わったら本格的に火酒作りを始めるんじゃろうな?」


 それな。

『ドワーフとの約束を違えてはいけない』

 こちらの世界の格言だ。特に酒関係はな。


「既に醸造所の場所は検討してあるよ」

「ほほ、それなら結構結構! じゃあワシらも頑張るとするかの!!」


 すると奥からイブが出て来た。

「あ、エドガー! あの二人が手伝ってくれてるから助かってるよ」

 ドローとバスの二人のことだ。


「それは良かった。あの二人の本業ではないけど色んな事に触れられた方がいいからな。特にここが一番忙しいから、また人手不足なら言ってくれ」


 ここで作るのはドワーフ二人だけど、作製以外の仕事もある。出来たものを箱詰めしたり運んでまとめたり。そういう部分だけでも手伝えれば作製に集中出来るだろうからな。


 ザルトの様子も見てくるか。

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