第11話 相談
拳銃の試射から数日、あれからティナは毎日射撃訓練に勤しんでいた。
さらにメキメキと腕を上げているらしい。
小銃の方は村人に貸し与えた。もちろん使い方と保管方法と注意点を説明した。
村の防衛力を底上げする為に作った。大方気に入ってくれた。
銃は狩りにも使ってもらっていいし、もともと弓が上手い者はそのまま弓を使えばいい。
村中に普及したら射撃大会とかをやってもいいかもしれないな。
村長がやってきた。
「エドガーさん、またご相談してもよろしいですかな?」
「村長さん、もちろんです」
「実は麦の育ちが芳しく無いのです。肥料が足りてないのかもしれませんが‥‥‥」
「ふむ‥‥‥じゃあ現地へ行って見てみましょうか」
俺と村長、ティナは村の麦畑へ向かった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うーん、栄養ありそうな黒土だし問題ないように見えるけど‥‥‥」
「でも麦の背も低いし元気なさそうですねぇ。でもこっちの麦畑はちゃんと伸びてるのに」
うーむ、原因はなんだろうか?
「村長さん、この麦はいつ蒔いたものですか?」
「今年の春です。今は夏なのでもっと伸びていないと‥‥‥」
ふむ、そうだな。
「もしかして今年から収量を増やすようお達しがあったとか?」
「そ、そうです! だから休耕地にする予定の畑も耕して麦を蒔いたのです」
なるほど、それが原因か。連作障害だ。同じ作物を続けて作ると大地の力が弱る。
「休耕地にするのは理由があるのですがそれは知っていますか?」
「いえ、そうするように昔からの習慣で‥‥‥。それがまずかったのでしょうか?」
「そうですね。蒔いてしまったものは仕方がないのでなんとかしましょう。人手を集めてください」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
村人が集まってきた。
「皆さん、これから山に行って山スライムを捕まえて来てください」
「えぇ!? 山スライム!?」
山スライムとは文字通り山に生息しているスライム。雑食性というよりそれこそなんでも食べてしまうスライムは生きている堆肥のようなものだ。そのスライムから取れる魔石を砕いて撒く事で今回の問題は解決する。
スライムはこの世界の食物連鎖ピラミッドにおいて一番下の消費者であり分解者にも該当する。
つまりこれを毎回毎年やり続けると生態系に大きく影響しそうなのでこの方法は続けられない。
だから次の方法も考えてある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます