第22話 常識破壊女神と地味にサムライ②
「がっかり......がっかりですかぃ? ジブン、相当鍛えてる筈なんですけどねぇ......三食ちゃんと食べるし、ギャンブルでここんとこ負け続きだけど動体視力は中々のものだし、昼寝と夜寝は合わせて16時間キッカリ――――」
「嘘つけしっかり怠けてんじゃねぇか仕事しろ仕事!」
「ジブン! 働いたら負けだと思ってるんで!」
「今日一番のキリッとした顔で何言ってんだコイツ」
「フィン~? こんな大人になっちゃダメよ! 16時間も寝てるなんてどうかと思うわ!」
「一日の平均活動時間が2時間のお前に何も言われたくねぇってよプリメーラ!」
「何よトウヤ!! アンタだって仕事サボってゲーセン通いの毎日だったそうじゃない!!」
「あっテメェ!! 生前の話持ち出すのは卑怯だぞ!?」
「なんだか......大人ってたいへんだね」
フィン突然の達観!!!!
「――――それでぇ......ジブンにがっかりしたたァどう言う事なんですかぃ? 旦那ぁ......きちんと説明して貰いましょうか」
良かった。大きく逸れた会話をライが元に戻してくれた。これ以上はただ傷を抉るだけになりそうだったから本当に良かった!!
「簡単な話だよ......俺さぁ! お前で強い人間と戦うの三人目なんだけどさ......
「ジブンにそれ言われても困ります」
「そうよトウヤ! 派手な魔法は私が見せてあげるから! ね?」
「あーなんか口に出したらイライラが増してきた......フィン! 振り落とされんなよ!! 今度はこっちの番だ!!!!」
石畳が割れる程の踏み込みで加速した飛び蹴りが、ライの腹へ直撃する。
「くっ......あぶねぇ......もう少し反応が遅れてたらこれだけで終わってたかもしれねぇなぁ......」
間一髪刀身で受けられたようで、ギャリン! という金属音が結界の中を満たす。
俺の脚を弾いた瞬間、一連の流れるような動作でライの反撃が振り下ろされる。
「っぶねッ!!!!」
咄嗟に跳び退くと、刀が振り下ろされた場所は豆腐のようにスッパリと切り裂かれていた。
「今のを跳んで避けますかぁ......流石だ」
「俺、生前でもそこそこ剣士と闘ってんだ。特に刀の太刀筋は嫌って位に見たからな! 本能でギリ避けれる」
俺の言葉を聞き、ライは何かに気が付いたかのような表情をして刀を納めた。
「生前......この大陸には本来無い筈の刀を知っている......見慣れないその服......旦那もしかして、異世界人だったりしますかぃ?」
「あれ、言ってなかったか? その通り! 俺はあっちの世界で死んでこの世界へやって来た! 異世界壊し屋こと
「―――!! なるほどぉ......旦那は勇者やそれに近しい存在って訳ですかぃ......なら、ジブンも殺り方をそれ用に変えるとしましょうかぁ......」
ライが一言発する毎に、殺気が強くなっていく。いや、ただ垂れ流していた先刻とも違う!! 明らかに雰囲気が変わったッ!!!!
来るッ!!
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