第29話
まずは地味目な服を入手するところからです。
これはメイド達の部屋を漁ることで入手しました。
女性の部屋に侵入して衣服を漁るのは罪悪感がありましたが自由の為には仕方ないこと。
そう割り切って行いました。
決して変態的な趣向に目覚めたわけではございません。
次に城に設けられている武器庫に侵入します。
武器庫には沢山の武器が納められていますがその中から地味な見た目の物を拝借します。
これで後はお城を抜け出すだけです。
下調べは十分です。
非常用の出入り口からお城を脱出します。
出口は街中にある目立たない空き家にありました。
変装は完璧、剣も用意したし目的の場所を目指します。
目的の場所は冒険者学校です。
簡単な手続きをして無事に入校することが出来ました。
冒険者学校は全寮制になっているためこれでもう見つかる心配はないでしょう。
授業が始まるまで数日あるため訓練場の片隅を借りて自己鍛錬をして過ごしました。
しかし、問題はお風呂がないことです。
汗を流す為には中庭にある井戸から水を汲んで浴びなければならないのですが男性の目線が気になります。
冒険者となるからには割り切らなければならないのですが穴が開くほど見つめられていては中々勇気が持てません。
困っていると救いの手が差し伸べられました。
なんと、女性の入寮者達が体で壁を作ってくれたではありませんか。
ありがたく素早く体を洗ってしまいます。
こちらを見ていた男性は何だか悔しそうな顔をしています。
あっ。
壁を作ってくれていた女性の一人が何かを投げました。
男性の頭にクリーンヒットです。
痛そうです。
とっても痛そうです。
大事なことなので2回いいました。
女性を敵にまわすと怖いですね。
私も気をつけようと思います。
体を拭いて服を着ます。
壁を作ってくれた皆さんにお礼を言って去ろうとしましたが何故か手を引っ張られて部屋に連れ込まれました。
「せっかく綺麗な髪をしているんだからちゃんと手入れしないとダメでしょ」
とのことです。
手から温風を出して髪を乾かし香油を丁寧に塗ってくれました。
それからというもの他の入寮者の女生と一緒に行動することが増えました。
悪い虫がつかないようにとのことです。
実際、声をかけようと近寄ってくる男性が非常に多かったです。
その度に周囲の女性陣が追っ払ってくれました。
美少女って罪だね。
中身おっさんだけども。
こんな感じでカリキュラムがはじまるの数日間は過ぎていきました。
この時はまだ地獄が待ち構えているなど想像出来てきませんでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます