第3話
麦がゆを食べ終え食器返却するとをメイド服の女性が退室する。
お腹が膨れたことによる他のことも気になってくる。
熱を出して寝ていたのだから当然寝汗をかいており少し気持ち悪い。
日本人としてはお風呂に入りたいところだが果たしてこの世界にお風呂はあるのだろうか。
そんなことを考えていると先ほどとは違うメイド服を着た女性が部屋に入ってくる。
「お嬢様。体調がよろしいようなら湯浴みの準備が出来ておりますがいかがいたしますか」
「ありがとう。入らせて貰うわ」
「かしこまりました」
メイド服を着た女性に先導される形で部屋を出る。
私室と思われる部屋も広かったが廊下に出て驚く。
どこまでも続く廊下にフサフサとしたレッドカーペットが敷かれている。
着いてこないことに気が付いてメイド服を着た女性が少し先で待っている。
「お嬢様。いかがいたしましたか」
「ごめんなさい。すぐ行くわ」
速足でメイド服を着た女性を追いかける。
メイド服を着た女性は追いついたのを確認して前を歩いていった。
かなりの距離を歩いた頃、メイド服を着た女性は両開きの扉をあけて中に入っていく。
扉を抜けた先は広い浴場になっていた。
お湯がかけ流しとなっており浴槽もかなりの広さがある。
その光景に見とれている間に服を脱がされていた。
失念していたことであるが今の自分は女性である。
中身が男である自分が見ていいものなのだろうか。
そんなことを考えている間にもメイド服を着た女性に連れられ洗い場に誘導されていた。
悶々とした気持ちを抱えたまま椅子に座らされ体をメイド服を着た女性に洗われていく。
高貴な身分だと自分で体を洗う必要すらないらしい。
ぼーっとしているだけで体が綺麗になっていくのは正直驚愕だ。
一通り洗い終わったのだろう丁寧にお湯をかけられ泡が流されてゆく。
今は女性になったことは気にしないことにしてお湯に浸かろうと移動した。
お湯の温度は丁度よく心地よい。
手足を伸ばしてお湯を堪能しながらこれからどうするべきか考える。
美少女といっていい体に何故か入ってしまったが元に戻る方法がわからない以上順応するしかないだろう。
公爵家の令嬢ということは生活に困ることはないはずだ。
それに元の体に戻った時、この生活での経験はきっと役に立つはずだ。
普通では経験できないことを経験する。
それを作品に落とし込むのは小説を書く上で必要な技能の一つだ。
十分体が温まったのを確認して浴槽を出るとすぐにメイド服を着た女性がふわふわなタオルで体を拭いてくれる。
体を拭き終わったメイド服を着た女性は手のひらから熱風を生み出して髪を乾かしはじめるのだった。
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