【攻略二度目の知識チート】〜クラスごと異世界に召喚されて死の迷宮に放り込まれたけど、俺は前回の【攻略者】です。死にたくないクラスメイトが泣きついてくるが、お前ら俺のことイジメてたよな?

水間ノボル🐳@書籍化決定!

1章

第1話 修学旅行中に、クラスごと異世界へ召喚「湊川はやっぱりゴミだからゴミスキルだよな?」

 海堂高校2年B組。


 10月、修学旅行のバスの中で——


 はしゃぎ回るやつ。


 ひとりでスマホをいじるやつ。


 彼氏彼女でイチャイチャするやつ。


 その中で俺は……


「おい、橘女子の子、俺に紹介しろよ」

「え? お前に紹介すると、すぐに付き合うからな……」


 笹山祐也——


 クラスの陽キャイケメンで、カースト最上位の男子。


 いつも話題の中心にいる。


「ええっ! 祐也、また寝取ったの? サイテー」

「人聞きが悪いな。あっちから誘ってきたんだよ」

「出た。悪い男っ!」


 笹山に絡む女子は、桜庭瑠奈——


 クラスの陽キャのギャルで、女子グループの最上位にいる女子だ。


 イケメン医大生の彼氏がいるらしい……

 

「みんな楽しそうだね。優斗」


 俺の隣に座っているのは、幼馴染の宮本亜美。


 子どもの頃からずっと一緒で、高校でも一緒だ。


 イジメられている俺の、唯一の味方で。


「あっ! 委員長! 何読んでのかなーっ?」

「きゃあ! やめてよー!」


 笹山が、一番前に座っていた女の子から、


 文庫本を取り上げた。


 クラスの委員長、有栖川愛理——


 すげえ真面目な女の子で、クラスのまとめ役だ。


「へっへっへ……委員長は何読んでるのかな? おおおっ! 【恋の流星群! 絶対泣ける! 甘く切ない三角関係のラブストーリー!】……すげえっ! 委員長、こんなの読んでるんだ!」

「笹山くん、返してよ!」


 顔を真っ赤にして、恥ずかしがる委員長。


 笹山はみんなに、文庫本を見せびらかす。


 一緒に面白がってるやつもいるが、


 中には、引いているやつもいて……


 みんな、笹川に睨まれるのが怖いんだ。


「俺、止めてくるわ」

「えっ? 優斗、やめなって——」


 亜美に止られたけど、俺は放っておけなかった。


「おい。やめろよ。委員長が嫌がってんだろ」

「はあ? クソ空気の陰キャが何だよ?」


 笹山が凄んでみせる。


 噂だと、空手二段の攻撃力があるらしい。


 情けないが、少しビビる俺。


 だがしかし——


「いや……委員長が本気で嫌がってるじゃん。人が嫌がることはやめたほうが……」

「きゃはははっ! カッコいい勇者くんじゃんっ! もしかして、湊川は委員長のこと、好きなのかなーっ?」

「違うよ……。ただやめろって言ってるだけで」

「うるせえよ。ザコ湊川。バスが着いたら、また【任務】だからな」


 任務——笹山が俺をいじめる時の言葉。


 任務と称して、金を取られたり裸にさせれたり……


 逆らえば、もちろんボコられる。


「湊川くん……」


 委員長が心配そうな表情で俺を見るが、


「はははっ! 委員長もこんなザコに庇われて迷惑してるぞ。さっさと帰れよ。無能」

「……返してやれよ」

「はあ……湊川のくせにうぜえ。……しねえええええええっ!」


 笹山が拳を振り上げた、その時だった——


 足元から青い光が。


「なんだこれ……? うわあああああああああっ!」


 俺たちは青い光に包まれて、


 何も見えなくなって——


 ★


 頬がひやりとする。


 冷たくて硬い床だ。


 いったい何がどうなって……?


 ま、まさか……また【アレ】か?


「はーいっ! 【勇者】のみなさーん! 起きてください! スキル授与の儀式を始めまーすっ!」




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