第9話「偽善でも」
ずっと人生に
不足を感じていました
生きる意味とか
死ぬ理由とか
そうした事ばかり頭を廻っています
生きればいいのでしょう
死ぬのはいけないのでしょう
知ってます
でも生きろと言う人は
幸せを知ってる人ですよね
私は痛いほど苦しいんです
それでも
無責任に生きろと言うのですか
生きれば、いいなんて
それを正しいと信じていけるほど
余裕なんてなくて
生きたからって幸せが保証されているほど
あなたに私の未来が分かるんですか
分かりませんよね
分かるはずないんです
誰もが痛みを知っていたら
私は今頃、こんな傷を負うことなく
笑って生きていたでしょう
この世界は痛みを分からない
そういった悪が
あるんです
だからあなたさえ
痛みを知らないから
そうして生きろって
気軽に言えるんです
だからもう
これ以上惑わさせないで
優しい言葉に
その生きろって言葉に
ほんとに温かさを感じるから
例え無責任なその言葉でも
私はやっぱり泣いてしまうから
だからあなたがこれから
私を一生、面倒見てほしい
ねぇ生きろって言うなら
むしろ生かしてください
あなたの愛で
あなたの優しさで
どうか未来に希望を与えてください
私は靡きやすいから
あなたの手で私を受け止めてください
あなたの偽善に
私はかけてみます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます