第14話 月

 たまには夜の散歩もいいものだ。

 ナツメさんをリュックサックに入れ、チャックを少しだけ開けておく。

「わぁ。ご覧、月が綺麗だよ」

 ナツメさんの声に、ぱっと空を見上げる。

「わぁ……!」

 ナツメさんの言うように、そこには見事な丸い月が浮かんでいた。

「綺麗だねぇ」

「ああ。ああも丸いと、まるでお団子みたいだね」

 ナツメさんは月より団子、だな。家に帰ったらお饅頭でも一緒に食べよう。

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