第20話 お礼の電話とスポンサー契約
「はぁーあ!」
配信を終え、私は伸びをした。
今日の配信はどういうわけか清々しい、なぜだろうか。
「……今日の同接者は20万人! スパチャは230万か! 純ちゃんからの視聴者さんもいるし、ブースト掛かってるね!」
これも案件をくれたセンテンドーと、快くコラボを引き受けてくれた純ちゃんのおかげだ。
なんて感謝したらいいんだろうか。
「そうだ、センテンドーにお礼を言わなきゃな、確か電話番号は……」
手紙に書かれていた番号に電話を掛けようとした……その時。
「うぉお!?」
携帯の画面に、その番号が表示され、私はつい驚いてしまった。
一瞬携帯を落としそうになったが、何とかキャッチし、応答ボタンを押した。
「……もしもし?」
『夜分遅く失礼いたします、私、センテンドー社の代表取締役社長、大森悠と申します、先日は突然の依頼を引き受けていただき、ありがとうございました』
「あ、ど、どうも! こちらこそ、ありがとうございました!」
私は何度もお辞儀をしながらお礼を言った。
……こんなところでお辞儀をしても向こうには見えないが、ついついやってしまった。
『いえいえ、貴方のおかげで良い宣伝になりましたよ』
「いやそんな……センテンドーさんと純ちゃ……井上純さんがいなかったらここまで……あっ! そういえば……」
『井上純とのゲリラコラボの件ですよね? 大丈夫ですよ、既に彼女には別で依頼料は支払いましたから』
「そ、そうですか……」
センテンドーの社長さん……私の配信を見ていたのであろうか?
「そういえば、この腕輪と携帯、返却はどうすればいいのでしょうか?」
『あぁ、実はその件で電話したんですよ……その腕輪と携帯……バーチャルチェンジャーは貴方が持っていてください』
「え!? いいんですか!?」
『えぇ、今後とも、貴方には我が社のスポンサーとしてライバー活動をしていただきたいのですよ』
「す、スポンサー……ですか」
スポンサーか、つまり企業に所属するってことだよね?
企業に所属かぁ……嫌な印象があるな。
多分会社がスパチャやらなにやらを徴収して……。
『あぁ、別に貴方への投げ銭から徴収するとか、そういうことはしませんよ』
「は、はぁ……」
……どうやら、その辺はお見通しのようだ。
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