第14話 共闘
「美羽さん! 見てないで貴方も戦ってくださいよ! コラボでしょ?」
井上純はゴブリンに拳をお見舞いしながら、そんなことを叫ぶ。
えぇ!? この流れで私も!?
いや確かにさっきまでは私が無双してたけどさ……視聴者さん、そんな事求めているのかな? もう私いらなくない?
いや、これは私のチャンネルで行っているわけだし、そりゃ私が活躍しないとダメなんだけど……うーん……。
『美羽ちゃんとイノジュンの共闘見たいかも!』
『忍者とステゴロお姉さんの共闘……いいかも』
『頑張って! 美羽ちゃん! 純様! ¥3000』
コメントが活気に満ち溢れている。
……ここは、コメントに応えなきゃね!
「行くよ! おりゃあああああ!!」
私は刀を構え、突撃を開始する。
私は井上純を飛び越え、モンスターを切り刻んだ。
モンスターどもは呻き声を上げ、ダンジョンの中を煙が充満し、モザイク絵のように魔石が散らばった。
「よし! ラスト1体は2人で!」
「はい! おりゃああ!!」
私たちは息を合わせ、モンスターに向かって腕を前に出した。
私は刀を、井上純は己の拳を。
モンスターの体にそれらが命中し……そいつは煙になって、巨大な魔石を生み出した。
「す、すごい……できちゃった……」
「いい戦いぶりでしたよ」
井上純は私の肩を掴み、ドローンカメラに向かってアピールを始めた。
「……と、いうわけで! 素晴らしい戦いぶりを見せてくれた美羽さんに拍手!」
井上純は私に向かって拍手を送る……恥ずかしくなってしまい、私は下を向いてしまった。
どうしよう……顔が熱い、プロに褒められたからであろうか?
『8888888』
『美羽ちゃんかっこよかったよ! ¥3000』
『美羽ちゃんのファンになりました、チャンネル登録しました』
『純様のファン辞めて美羽ちゃんのファンになります』
コメント欄をチラ見すると、私への称賛の声で溢れかえっていた。
う、嬉しい……全盛期に戻ったような感覚だ。
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