Catherine Catherine ~キャサリンとカテリィン~

黒井泳鳥

序章 はじめてのおともだちとの出会いから旅の始まりまで

開幕の言

 物語でも。物語じゃなくても。友人との出会いというのは突然で。


 けれど、突然でも劇的に限った話でもなくて。仮に親友だとしても例に漏れることは極稀で。


 たまたま。偶然。ひょんなことから。出会った人と共通点があって仲良くなることもある。


 大体がそんなものではなかろうか? 劇的な出会いでもなければ、仲良くなる過程がドラマチックでもない。


 ほとんどの人は、そんなものだろう。


 そんな……ものなのだろう。


 とは言ったものの、キャサリン・イングリスという少女は別。


 彼女は劇的な出会いを果たしたんだ。


 というより、『劇的な』という部分は正直どうでもいい。


 何故ならば。


 キャサリンという少女と、カテリィンという生物。


 この二人が出会ってしまったことが問題だから。


 問題というと、少しばかり仰々しいかもしれないけれど。


 しかして事実として。彼女たちが出会った後に彼女たちと出会ってしまうのが不幸と言わざるを得ない。


 これから始まるのは彼女たちの日常であり。同時に、幾人かにとっては悲劇の物語。


 まぁでも、もしも気に入られたら喜劇やハッピーエンドに変わるかもしれない。


 その辺りは、運任せ……かな。


 願わくば。


 アナタ方が彼女たちの被害者になりませんように。

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