第3話・THE FIRST DATE 2
「私の事知りたいんですか?」
「そりゃあね」
オシャレ通りを歩きながら聞いてみた。
「名前と歳しか知らないんだもん」
「それ言ったら私も先輩のことそれぐらいしか知りませんよ」
ちょっと意外だった。この子は私の全部を知ってるのかと。何でそう思ったんだろう?
「それでよく告ったね」
「んーそんなものですよ、愛とは」
「愛!」
「おかしいですか?」
「いやテレた」
「照れてる顔じゃないなぁ」
本当にテレている。私のテレは真顔なのだ。赤くもならない。
「じゃあアレ、何で私を好きになったのか教えてよ!約束してたじゃん」
「あ、はいはい。一つ目は雰囲気です」
「フンイキ?他は?」
「他はまた今度で」
「ええっ!?何で!?」
「情報とは一気に出すものではないんですよ」
口元だけ笑う佳己ちゃん。からかわれているのかなぁ、遊ばれているのかなぁ。
「、、、じゃあもう一つ、、、私は本気です。本気で好きです」
「!」
心が読めるのかこの子は。
とは言え。この時代、同性愛が少しは認知され始めてきてるとはいえ
それを言う、ましてやそういう相手じゃない人に告白するなんて相当の勇気だろう。
まだ学校生活も残っているのに、これで変にウワサが流れたらイジメになる。
そんなことでイジメに発展する理由とか思考とかは理解出来ないけど。
同性愛の認知はまだまだTVとか漫画的なのであって、リアルだとどうなんだろう。
それは良くてこれはダメとかはホントわからないなぁ。
帰ったらちゃんと調べよう。
「、、、先輩は本気、、、ですか?」
「!えーと、、、」
不意に質問がきた。答えが出なかった。
「じゃあ私とキスしたいですか?」
「それはしたい」
しかしこの答えはスグ出た。
「フフッアハハハハハハハハハ!!!」
佳己ちゃんの初めて目から笑う本気の笑顔を見た。
そんな笑うなよ。だってホントだし。佳己ちゃんの唇はとても女の子女の子していて柔らかそうで、
正直したい。
「良かった。良かった。そういう目でちゃんと見られてた、アハハハ!」
「そういう目で見られて嬉しいの?」
「そりゃあ嬉しいですよ、好きな人ですから。よっしゃぁ!」
「変なの」
「まっそれだけでも困りますけどね。それ以外でもちゃんと見てくださいよ」
また口元だけの笑いをする。
うん、真面目に見るよ
私は真顔で言った。テレではなく真剣に。
「、、、そういう所も好きです。あー三つも教えちゃいました」
その時は口元だけの笑いじゃなく、目からのおかしくて笑う笑いでもなく、
微笑のような笑いの佳己ちゃん。
それがとても綺麗だった。
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