主人公は、大魔女の召使いとして長年過ごしてきた女性リーゼ。
そんな大魔女も十年前に亡くなり、それからも住処である城で一人静かに過ごしてきました。
そんな中、国の王太子シエルが城の所有権を主張して来城した事で、リーゼの環境が目まぐるしく変化して行きます。
見た目は年若くとも、実際は結構な高齢であるリーゼ。
召使いになった経緯も相まって、考え方は達観…というよりは諦観しています。
恋愛小説はお好きなようですが、いわゆる枯れ女子と言うか。自分に向けられる恋愛感情にはとにかく疎いのです。
リーゼの人となりに惹かれて行くシエルと、年齢差もあって遠慮がちなリーゼとの、ちょっとちぐはぐな恋愛模様が楽しめます。
そしてシエルが求めていた、大魔女が遺したという”宝珠”の正体とは───
しっかりとした下地が描かれている、良質の恋愛ファンタジーです!