　きれいなお姉さんに「あなたは銭湯に行くとか言ったっきりいなくなりそうだ」という理由でフラれた話を書きましたが、五十年前後昔の喜劇映画やテレビの連続ドラマには、そういうお父さんはそれなりに出てくるキャラだったように思います。

　銭湯に行ってくる、とか、ちょっとたばこ買ってくる、と着の身着のまま出て行ったきり、ぷっつりいなくなっちゃうのです。

　拉致がマジのマジで横行していた現実を考えれば、フーテンの寅さんは、映像で描かれている限りではですが、わかりやすくケンカした後で出て行ってくれるので、何の前触れもなく消えられるよりかは、残された方としてはなんぼかましです。

　昔、海外で付き合ったことのある日系女性の娘さんが、日本のマンガ本を貸してくれました。母親のカレシのオジサマにぜひ秘蔵の少女漫画を読んでほしい、と。

　「山田太郎物語」です。嵐の二宮くん主演で櫻井くんが同級生で菊池桃子がお母さんで、テレビドラマにもなりましたね（主題歌のHappiness、最高）。

　くっ、この山田家のお父さん、まさにたばこ買いに行ってくるとか言って、いなくなっちゃう人やないかーい！

　いつの間にかマグロ漁船に乗っていたり、お金持ちの未亡人の家に転がり込んでたり、日本と言わず海外と言わずどこにいるやらもうわからん。

　ぅわお、お嬢ちゃん、おじちゃんにこれ読ませたかったのってドユコト？　ソユコト？

　うん、マンガ、めちゃくちゃ面白かったよ。

　ちょっとお散歩に行ってきますね。

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