現代サンタさん

天魔ちゃん

第1話 1月のサンタさん

私はサンタ。

今を生きる現代のサンタだ。

赤いコートに赤いズボン、そして登山リュック。ついでにスニーカー。

トナカイとかいう謎の生物ではなく、赤いバイク。

私の愛車は、「sky bard」。

そう、これこそが、『現代サンタさん』なのだ。

……と、言いたいものの、もう12月が過ぎてしまったので、正直やることとかないけど、現代サンタさんにはもう2つやることがあるのだ。それは……

『子供の欲しい物を詮索する』ということだ。

ここで最も重要なのは、『子供に自分がサンタだとさとられないようにする』というのが大事なのだ。

ちなみにサンタさんはたくさんいて、ちゃんとした会社になっているので、依頼をしてくれれば、きちんと12月にプレゼントを渡すというような循環になっている。

『子供に自分がサンタだとさとられないようにする』というのは意外と大変だ。

だって最近、なんか『論破児童』とか『ウザ児童』とかいっぱいいるんだもん……

なんか鋭いやつもいるし。

だから我々は1月から10月までの期間、自衛隊バリに訓練をする。

足音を立てずに歩く訓練や、音を立てずにドアを開ける訓練。

そして、寝静まっている子供にむかい、超超静かにプレゼントの箱を置く訓練……など、たくさんある。

意外とハードなため、訓練で挫折するサンタも多い。

私はまだ1年しかやっていないため、あんまり……ッて感じだけど、

先輩を見ていると……筋肉ばかりなんだよなぁ。

いやまぁたしかにね?いやまぁ訓練もきついしハードなのはわかる。でも、そんなムキムキマッチョマンになることなくない?

もう別の仕事やれよ!君たちアスリートに向いてるよ!

とかも想う。まぁもちろん心の中で。

「ピーピーピー」

「あ、仕事の時間だ。まぁたか。」

『全員、サン銃を持って外にでろ!サンナイフもだ!』

あ、そういえば言ってなかったね。

もう一つの仕事は、『子どもたちが安心して寝れるように、この世界にいる怪獣を静かに殺せ!!』という仕事。

「よっしゃー。行きますかぁ。現代サンタさん舐めんなよ!」

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