第10話 峰岸麗

 占い師は峰岸麗みねぎしれいと名乗った。普段は占いをしているが除霊などもできるという。そして、多岐川や岡崎、神谷は既に堂場どうばに狙われているという。

 峰岸という占い師は三人に小さな袋をくれた。

「これは?」

「お守りだから、いつも身に付けておくように」

 と言った。

「お守りですか……」

 不思議そうに袋を見る多岐川。それを見ていた峰岸が呟く様に言う。

「三十万円」

「え!」

「うそよ」

「とにかくいつも肌身離さず持っておいて」

 神谷は少し不安そうに峰岸に聞く。

「あのお、僕たち、どうなるんですか?」

 少し困ったような表情で溜息をつく峰岸。

「とにかく、今は私が堂場を何とかする。そのあと、この一連のことの中枢にいるものをどうにかする」

 岡崎が不安そうに聞く。

「あのお、私の親友が亡くなったんです。事件に巻き込まれたんですか? なんだかわからない、堂場とかいうお化けみたいなものにやられたんですか? そして、私たちを、その堂場から守るものは、この『お守り』で、その男を倒すのは『除霊』なんですか?」

 段々、語気が荒くなってくる。

「そうよ」

「なんですって」

「堂場は……倒すではなくて……なんとか封じる」

「できるんですか」

「……そうね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る