あの波の声が聞こえるかい
春木ゆたか
プロローグ
日に日に褪せていく君色に染った世界で。
夜の帳、荒れ狂う波の音を聞きながら、ただひたすらに死ぬことだけを考えていた。
*
彼と出会った奇跡を私は幸せと呼ぶけれど、出会うまでに二十八年もかかってしまったことは、後悔以外のなにものでもない。
「本を読むという行為は、作者と会話しているようなものだよ」
彼は本の話をする時いつもそう言っていたが、何度聞いても聞き飽きることはなかったし、むしろいつも新鮮に感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます