第3話 雪の降る花舞台で
空白の1週間が開け、お互い長いようで短かった日々を過ごしていました。
不安と期待が入り混じって日々をお互いに過ごしていました。それでもその日はやって来ました。
退屈しかない終業式が終わり、クラスの人たちはそそくさと帰る中、自分と涼太は2人教室に残っていました。美桜との待ち合わせの時間までには時間があったため、雑談をして暇を潰していました。
「...いよいよ今日だな」
「ああ、そうだな」
「自信はあるのか?」
「正直言って無いかな。でも思いだけは何としても伝えたいんだ」
涼太の覚悟は確固たるものがありました。青春など全く経験したことない自分からしたら羨ましい限りでした。
そう雑談をしていると、待ち合わせの10分前に迫っていました。
「そろそろ行こうか」
「ああ、頑張ってくれ」
自分たちは教室を出て待ち合わせ場所である校門前の開けた場所に行きました。自分は隠れながら結末を見守ることにしました。
待ち合わせの1分前、自分は最後のアイコンタクトを涼太に送りました。涼太は微かな頷きでしたが目は覚悟が決まっていました
待ち合わせの時間とぴったりの時間に、美緒は来ました。
「ごめんね。図書局の仕事長引いちゃって」
「ううん全然大丈夫。お疲れ様」
「ありがとう。それで話って?」
自分は固唾を飲み見守っていました。自分が今見ている涼太は過去一かっこいいって思いました。
「もし良かったら、俺と付き合って欲しい。」
自分はよく言ったと内心嬉しがったのも束の間、返事はどうだと見守って見ていました。
「____」
美桜はそう言って瞬間、涼太の真面目な表情は和らいで優しい笑顔になりました。まるで一輪の花が咲いたように。
自分は返事の言葉こそ聞こえなかったものの、告白は成功したことは自分から見ても一目瞭然でした。
自分は影でガッツポーズをしていました。その時、雪が降ってきました。涼太の告白を祝福するかのように
「雪降ってきたね」
「そうだね。そろそろ帰ろうか。美桜。」
「そうだね」
そういうと2人は帰っていきました。自分はふたりが帰ったのを確認して影から出ました。
「俺だけ置いてけぼりになっちまったな。でも良かったな。涼太」
やや遠くを歩いている涼太たちに目をやると手を繋ぎ歩いてる涼太たちの姿がありました。
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