マンネリダンジョン配信者、ユニークスキルでTSしてしまう。
魔王軍の三下
第1話 いやチートかよ
「こんなもんか」
50階を超えるタワマンの最上階で、一人の男が呟いた。
彼の前には高級なアンティーク調の机がありその上には一本で東京の土地が1haは買えるほど高い最高級酒と異様な雰囲気を放つ薬が入った注射器があった。
彼が配信業での名声をありのままにしていた時期はとうの昔に過ぎ去り、本人もまた活動の限界を感じていた。
伸びないステータス、マンネリ化したダンジョン配信、減少する登録者数、年齢的にも限界が近い。自分と同時期にダンジョン配信を始めた奴らはもう海外で活躍する一線級の冒険者だ。
「だがもうそれも終わりだ」
今目の前にある薬には知能やステータスをそのままにした状態で体を子供にできるという効果がある。実験はできていないから効果に確証はないが十中八九成功するだろう。
そう確信を持ちながら酒を一気飲みする。残念ながら冒険者は身体能力が上げられているから普通の酒では酔えないのだ。だが、金をかけただけある。すぐに酔いが回ってきた。眠る前に注射器を使い薬を自分に投与する。
「明日からはダンジョンに篭りきりになるな」
明日に期待を高めてそのまま目を閉じる。薬の副作用か酔い以上に眠気が襲ってきたのでもう寝ることにした。起きたら姉貴が様子を見にきてくれる手筈になってるから寝過ごすことはないだろう。
◇◇◇
「いやはや、うちの弟はこんな可愛い娘を喰ってるのか〜。お姉ちゃんにも味見くらいさせて欲しいんだけどなぁ。」
ぼんやりとした意識の中で姉の声が聞こえた。姉が家に入ってきたのに気づかず寝ていたらしい。
体を起こし伸びをする。
「ねぇ、
「
「え?あ、ふーん。ちょっと待ってね……状況整理するから」
「?……まあいいけど」
少しして、ぶつぶつ言いながら部屋を歩き回っていた姉貴は急に立ち止まり声を張り上げた。
「よし!このアイキューハイオクの頭で全てを理解したわ!」
「ガソリンでも入ってそうな頭だな」
「羽瑠!まず鏡を見て!」
スマホを起動し、カメラの内カメを使い自分の容姿を確認する。
「……はぁ?」
カメラには俺が映し出された。いや違う。私が映し出されていた。
薬の投与で子供になっているのは分かる。だが女になるのは想定外だ。声も高くなっているとは思ったが男だったとしても子供なら出るだろうと思い無視していた。
「あなたが俺薬で子供に戻るから子供サイズの服持ってきて!って言った時はまさか女の子用が必要になるとは思ってなかったわ」
「俺だって女になるのは想定外だよ。……そうだステータス!姉貴のユニークスキルで俺のステータス見せてくれ!」
薬の効果で子供になれたわけだが───女になったのはこの再目を瞑る───これでステータスが初期値に戻っていたりしたら俺はただ子供になっただけになってしまう。
俺が姉貴をここに呼んだのは子供用の物資を持って来させるためともう一つ。姉貴のユニークスキルが必要だったのだ。姉貴のユニークスキルがあればステータスが細かくわかる。公共の施設に行って計測するととても時間がかかるからな。
「はいはい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
名前:
歳:12歳
性別:女
身長:137センチ
体重:38キログラム
レベル:1
筋力:2749
知力:2431
持久力:1789
俊敏性:3794
魔力保有量:10402
見た目レベル:10
スキル
•神の一太刀
•緊急回避
•超加速
•物理貫通
•状態異常無効
•神の腹切り
•神の間合い
•身体変化:改
•身体変化:戒
•スキル生成:天
•魔法適正:大賢者
ユニークスキル
•調薬の申し子
全ての植物を無条件で調薬することができる。何でも調薬でき、人智を超えた薬を生み出すことが可能だが薬が与える影響は良いものだけではない。簡単な調薬なら必ず良薬を作ることができる。
•<全能者>
全てのスキルのランクが最高位まで上がる。
全属性の魔法が使える。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……いや嘘やん」
チートすぎて驚き通り越して怖い。正直前のステータスが残ってれば良いなって感じだったのにこの12歳少女レベル1にして1個持ってれば上級探索者になり得るスキルをバカみたいに持ってるんですよ。つーか見た目レベルって何だよ前鑑定してもらった時はこんな項目なかったろ。
「おおー。良かったね羽瑠。見た目レベル10だって。上限値が出るなんて羽瑠で3人目。いやー苦労してスキル成長させて良かったなぁ」
「んなことにスキル成長させんくていいわ!ていうか、これどうすんの?人に見せられるようなステータスじゃねえんだけど。ユニークスキルとか一人一つのはずなのに2つあるし」
「んー、と言っても変えられないものは変えられないししょうがないんじゃない?」
姉貴の言ってることはもっともだ。俺が変えられるようなものではないし何よりこの力を試してみたい。
「じゃあ新しい名義で配信すれば?あんた前のチャンネルで伸び悩んでたっぽいし良い転換点なんじゃない?」
配信か。確かに良い案かもしれない。元より男として子供になったら配信するつもりだったので特に変わることはない。それに配信の勝手はわかっているから視聴者獲得争いの中でも生き残れる自信がある。
「良いかもな配信者」
「よし。そうと決まれば〜お着替えの時間ですヨォ羽瑠〝ちゃん〟」
どうやら少しの間この人におもちゃにされるしかないらしい。この人もこの人で忙しい中来てくれたわけだからな。多分今のステータスでも勝てないし……。
俺はそうやって数時間女としての振る舞いを姉貴に教わるのだった。
◇◇◇
初めて作品を投稿しました!受験生なので不定期投稿になると思いますがよろしくお願いします!面白いと思ったら⭐︎を押して欲しいです!(⭐︎がどういうものなのかまだあんまりわかってないけど)投稿スピードが上がります!(多分)
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