ご令嬢は女神様っ!

戸塚 小夢(こゆ)

プロローグ

私、桃は小6の3学期という中途半端な時期にこの学校へ転校してきた。だが、これには訳がある。端的に言えば、私の転校理由は"スパイ"だ。紫良木しらぎの家系に生まれた者は皆、物心ついた頃からスパイとしての教育を施され、現場に放り込まれる。今回の私の依頼は、母が秘書を務める国の重役からだ。息子である杉白すぎしろ流生るい様は時雨男子学院に通っていて、姉妹校である早苗女学院の紅月こうづき星礼せいら様に一目惚れ。その身辺調査が今回の依頼だ。

…にしても、やっぱり名門早苗女学院。見た目で圧倒される。校章が刻まれた校門に、茶色のレンガ造りの校舎。なにより、制服!見たところ、保育部から大学院まである早苗では学部ごとの色違いらしい。周りの景色と生徒を観察しながら、小学部棟へ向かった。

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