第13話 ペルシャの詩人とティムール帝
「かの詩人を呼んで参れ」
玉座輝く王宮に
響き渡った帝王の声
コーランを
唱えるあなたが
謳うのは
恋・酒・美女に
薔薇と鶯
ハーフィズよ
語れ唇
意のままに
そちの言葉は
蜜より甘く
「余が苦労して
手に入れた
サマルカンドと
ブハーラの
麗しき都市 ふたつとも
乙女の
引き換えに
くれてやるとは
なにごとだ」
かの有名な
ティムール帝に
呼び出し叱責されたとて
詩人は変わらず歌うのだ
「
美しい
女の
この息の根を 止めてくれ
さすれば
この私
生まれ変わって 彼女の家の
薔薇咲く小道の その先の
玄関先の
夜毎さえずる 鶯の
声に誘われ 庭へと歩む
女の足に触れたらば
玄関先の 塵たる私は
悔いも無く
飛んでいこうぞ あの世まで」
ハーフィズよ
語れ唇
意のままに
そちの言葉は
誰より自由
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