第3話 恋の葦笛

私の溜息は 葦笛あしぶえの音色

嘆きの溜息に触れて 鳴り響く

報われぬ恋情れんじょうの調べ


愛しい人よ

せめてこの音色が 風と溶け合い

貴方の唇に 届けばいいのに



……いいえ、いいえ、葦笛よ、

報われぬ恋情の調べを運ぶより

もっと、もっと、ふさわしい音色を!



さあ、葦笛よ、風よりはや

この溜息を

遥かな故郷へ 運んでおくれ

あの懐かしい 情熱の風とリズムに触れれば

この切ない 嘆きの溜息も

熱い想いへ 姿を変わることでしょう


そして 情熱の風に溶けた音色が

故郷の彼の あの熱い唇に触れれば

この報われぬ寂しい 葦笛の調べも

黄金おうごん横笛フルートのように

教会の鐘よりも 色鮮やかな音色を

響かせることでしょう


私の葦笛は 黄金おうごん横笛フルート

嘆きよりも 歓びを歌いあげる

情熱の恋情の調べ

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