閑話休題② 反則の件

空手をしている人なら知っている人は多いが、先日ある空手大会の動画がSNS上で公開され話題となった。今回はこの件に関して私見を話してみたいと思う。


事の経緯を簡単に説明すると、

小学校高学年と思われるフルコン組手の試合、パンチが顔面に当たったらしく、背を向けて痛がる選手。撮影者によるとその時点で審判が試合を止めたのだが、明らかにやめがかかったタイミングで、相手選手が後ろから上段の横蹴り(前蹴り?)を放ち、背を向けた選手は前に倒れこんでいた。



この一連の流れを元に私なりに思ったことを3つに分けて書いていこうと思う。

①背を向けている選手に対しての手加減のない攻撃

②その後の審判の対応

③子供にフルコン空手をさせるということ


①背を向けている選手に対する手加減のない攻撃

空手に限らず多くのアマチュアの打撃系格闘技では背面への攻撃は禁止されている。

無防備な状態で攻撃を受けることは勿論、頭部にだけでなく脊椎や腎臓といった部位に大きなダメージを受ければ場合によっては命に係わる。


反則した選手は小学生、普通の子供なら躊躇するし、ある程度上級者なら、たとえやめの合図が聞こえなかったとしても、軽めに上段の回し蹴りを打ったり(綺麗に決まればその時点でポイントになる)、回りこんで攻撃をすることもできるはずだ。


今回背後から躊躇なく体重の乗った攻撃をしたということは、日ごろから組手の練習の時に注意をしていなかったのではないのではないかと思う。勿論、思いっきり蹴り飛ばして良いとは教えていないだろうが、片方の選手が背を向けた時点で、止めていない可能性は高いと思う。


勿論憶測ではあるが、選手が小学生である以上、選手の不祥事は指導者の不祥事だし、安全管理の不備を問われてもおかしくないと思う。


②その後の審判の対応

動画が拡散され、炎上したのは選手だけではない。

当該の反則の後、審判団はあろうことか倒れた選手を放置し、反則に対して協議を始めたのだ。これに対しSNS上では批判の嵐が吹き荒れた。

実際かなり危険な打たれ方をしていたので、本来ならすぐに試合を止めて医療スタッフを呼ぶべき事案だ。



③子供にフルコン空手をさせるということ

私は息子の空手道場を選ぶにあたって、自分のやっていた伝統空手ではなく、フルコン空手を敢えて選択した。

その理由は、殴られる・蹴られるということがどういうことか、知ってほしかったからだ。殴られれば痛いし、場合によってはケガもする。だから、無闇に暴力をふるってはいけないということを実感してほしかったのだ。


個人的にはフルコンタクト空手自体は素晴らしいものだと思うし、伝統派とは違った形で今後も発展していければとは思う。ただ、そのためには安全管理やモラルを含めた、主催者や指導者の教育が必要なのかなとは思う。


特に危険な反則に対する注意喚起や体ができていない選手を試合に出さないなどは、しっかりとやっていかないといつか命にかかわる事件が起きてもおかしくない。


今回の件で、競技人口の裾野となる小学生の数が減るかもしれない。そうなれば、空手自体がどんどん廃れていくだろう。そうならないためにも、各団体・協会がスポーツとしてきちんと考えていただきたいと保護者としては思っている。



本当はもっと書きたいことがあるのだが、全部書くと収拾がつかなくなるので今日はこれくらいに・・・

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