第40話 宿敵にリベンジそして次の町へ

 オレがアイテムボックスを覚えてから、オレたちは次の町へ旅立つ準備をはじめた。


 まず、野営のためのテントを新調する。今は3人用のテントしか持っていないため、5人用のものを新たに購入した。3人で使っても快適に過ごしたいので大き目のサイズにしたのだ。


 あとは、ソフィアの分の寝袋などを揃える。ソフィアは馬車で移動してきたので、野営の装備はない、ということだったからだ。


 オレたちも、馬車などは要所要所で使うつもりだが、どこで野営が必要になるかはわからないので、万全を期すことにした。


 あとは、装備の新調だ。オレの剣はキマイラレーベの戦いで痛んでいたのだが、その後も騙し騙し使っていた。愛着があったからだ。

 だが、さすがに限界を感じ始めたので、新しい剣を買うことにした。


 今の剣は鉄製で1万ルピーだったが、2本目の剣は鋼鉄製の8万のものを購入した。


 重さはほとんど変わらないが、鉄製より頑丈とのことだ。それと、高いだけあって装飾などが少し豪華になった。


 一本目の相棒は、覚えたてのアイテムボックスに保管しておくことにした。売るのは忍びない。何度も助けてくれた剣だしね。


 あとは、薬類の調達。回復薬、MP回復薬、解毒薬、麻痺薬など、一通りの種類を人数分揃えて、各自のアイテムボックスにしまう。リリィが回復魔法を使えるが、備えあれば憂いなし、ということだ。


 そんな感じで、旅の準備をしていたら、オレとリリィの冒険者ランクが上級Cまで上がり当初の目標を達成した。


 とうとうオラクルに滞在する理由が無くなった。



 そして、旅立ちの日の前日、オレたちは再び、キマイラレーベと対峙していた。


 3人で臨めば勝てると確信していたし、トラウマは克服した方がよいと判断したからだ。


 案の定、正面のキマイラレーベを見て、ソフィアは震えている。


「ソフィア!オレたちなら余裕だ!」


「と!当然よ!」


「愛してるぞ!」


「な!なによ!こんなときに!バカ!」


 これで少しは緊張も解けただろうか。


「じゃあ行くぞ!」


「いつでもいいわ!」


 オレが駆け出して、やつに切りかかる。しかし、うまいこと爪で弾かれてしまう。


 くそっ、前はソフィアの魔法で体力が削られてたんだな、と実感する。


「ソフィア!岩!」


「ストーンスピア!!」


 後ろに下がろうとするキマイラレーベの後方に石の槍が突き出て退路を塞ぐ。足が止まった隙をつき、回り込んで、尻尾から生えている蛇の頭を斬り落とした。


「よしっ!これで毒の心配はない!」


「次!打てるわ!」


 リリィがMP回復魔法をかけてくれたのでソフィアの準備が整う。


 オレはまだ合図せずに、後ろ足を切りつけた。やつの動きが少し鈍ったところで


「ソフィア!炎!」


「フレイムストーム!!」


 炎の柱が一直線にやつを捉える。右肩あたりから胴体にかけてヤツの身体を焦げつかせた。

 相当効いているのだろう、獰猛な咆哮をあげている。それを隙と判断し、さらに両前足、追加で後ろ足も切りつける。


 足が止まり「ガァァ!」と大きく口を開けたため


「雷!」

 とソフィアに合図。


「ライトニング!」

「ライトニング!」


 2人してヤツの口の中に上級魔法を叩き込んだ。


 バチバチバチと電撃が体内に吸い込まれ、身体から煙を上げてキマイラレーベは崩れ落ちた。


「よっし!やっぱりオレたちなら楽勝だ!」


「当然じゃない!」


「やりましたね!」


 みんなで円になってハイタッチする。


 オレたちを苦しめた相手を連携して無傷で倒す。


 これ以上ない戦果を上げることができた。これでソフィアのトラウマもマシになっただろう。


 その日の討伐はこれで終わりにして、ギルドに戻ることにした。


 あのときの受付嬢に「3人なら余裕でした」と報告し、「明日町を出ます」と挨拶する。


 受付嬢は「旅のご無事をお祈りしています」と言ってくれた。


 そのあと、エマの店に寄った。


 町を出ることを伝えると、リリアーナとソフィアを見ながら泣き出したが、ソフィアがエマの手袋をつけているのを見つけたら、すぐに泣き止んで喜びだした。


 ホント、最後までブレないやつである。


「じゃあな、またなにか作って欲しかったら手紙するよ」


「了解っす!そのときはすぐ作って送りますね!あ!ライさんの装備以外で頼むっす!」


「ははは、わかったわかった」


 オレは手を振りながら店を後にした。


 そして、宿について夕食をとっていたら、おかみさんが食後にデザートをサービスしてくれた。「長い間ありがとうよ!」とのことだ。

 ありがたく、その好意に甘えておく。そのデザートはとても美味しく感じた



「じゃ、じゃあ、旅の間はいつできるか、わからないから」


「…そんなの関係なくいつもするくせに…」


「わかりました…」


 ベッドの上で、ソフィアは枕をぎゅっと抱いていて、リリィは正座している。


 オレは2人を抱き寄せて幸せを充電した。


♢♦♢


「よしっ!次の目的地は城塞都市リングベルだ!」


「なによ急に」


「いや、なんかノリで」


「へんなやつ」


「ふふふ」


 オレたちは午前中に宿を出て、馬車に乗り込む。次の目的地までには馬車を何回か乗り継ぐことになるそうだ。


 城塞都市リングベル


 そこを目的地に選んだのは、3人目を探すためだ。オレたちのパーティはオレだけが前衛でバランスが悪い。もう1人前衛がいれば、もっと戦いやすいだろうと思っていた。


 そのため、攻略スキルで次なる美少女を検索したところ、城塞都市リングベルと呼ばれる町の付近に赤い点が表示されたのだ。


 馬車が動き出す。


 ガタガタと揺れる馬車の荷台から外を眺め、オレはまだ見ぬ美少女のことを思い、心躍らせていた。



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3章まで読んでいただきありがとうございます。

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                     真心糸

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