女ふたり、慎ましやかな暮らし。

あさんぽ

　突然ですが、現在わたくし、襟は適応障害を発症して現在、無職である。

　それまで一家の柱として生活の面々を支えて来たが、ふがいなし。ブラック企業に勤め、深夜2時まで働かされたこともある私は思ったよりもこころが

強く無く、転職した会社で仕事に行けなくなってしまった。

　そんな私を「無理せんでええよ」と代わりに支えてくれているのが、うつ病のりょうであった訳で。まじふがいなし。

　寒くもなってきた季節、下手すると家から出ない私にりょうが提案してくれたのは、朝起きてコンビニに行って帰るだけという「あさんぽ」だ。

　読んで字の如し、朝散歩の略である。太陽の光からしか生成できないビタミンがあるのを誰かから聞いてからゴミ捨てくらいはしていたが、奴は策士である。コンビニ飯で釣ろうという作戦を打って出て来た。

　もう、これでもかというくらい出不精の私なもので、最初は渋りに渋ったが、コンビニのパンは美味いし朝コーヒーを飲みながらタバコを吸うのも好きな訳であれよあれよとパジャマに上着を着た格好で始めるようになった。

　朝も得意ではないが、まあ好きな人が行きたいやりたいという事はなるべくさせてあげたいというのが私の信念な訳で、始めてみたらやっぱりコンビニのパンは美味かったし、雲の形がちんちんに似てるなんて言いながらげらげら笑って手をつないであるくのは嫌ではなくなった。