オッサンのズボラ飯

オノダ 竜太朗

第1話 はじめに

 平日休みの僕は、休みの日には担当ってわけじゃないけど夕飯を作るんです。2人とも仕事の時は大抵妻の方が早く帰るので、妻が作ってるのですが、たまに妻が残業の時は僕が作る時もあります。ですが、基本は妻の方が夕飯作ることが多いので、休みの日くらいは......と思って作ってます。


 すごい綺麗事言ってるように聞こえてしまいますが、まあまあ料理が趣味というか、全く苦痛ではない。むしろ、作りたい。


 こんな僕は、実は結婚する前は料理なんかしたことなくて、まだ子供が生まれる前に妻が風邪で倒れた時に、とてつもなく塩辛い焼きうどんを作ってしまい、『喉が痛くて、食べれない......』と言わせてしまいました。もう情けなくて。

 心配したお義母さんが食べるものを持って家に来てくれた時、妻が体調悪いのに飯すら作れなくて凹んでいる僕を見て『どっちが体調悪いのかね』と笑われてしまいました。そこで、お義母さんにお粥とお吸い物の作り方を教わりました。あ義母さんは軽量カップも軽量スプーンも使わず、目の前でささっと作るわけです。『ちょっと味見して、薄いなぁと思ったらしゃあいい』『しょっぱかったら水で薄めりゃあいい』とサクサク作るわけです。

 それが衝撃でした。

 料理っていうものはレシピ通りしっかり作らなきゃならないと思ってたから、今考えると当たり前なのですが、『味見』という概念がなかった。

 実家では、よく母ちゃんが『味見して』と作っているものを少量出してくれるのは、のことだと思っていた。

 それをきっかけに料理本を書い、小林ケンタロウ大先生の番組を見て色んな料理にチャレンジした。そのうちに料理するのが好きになっていったのです。

 今じゃあスマホの料理アプリもあるし、材料を入力して検索するとオススメレシピが簡単に出てくるわけです。料理が苦手な人でも、作れそうな物からチャレンジしたら、誰でも作れちゃうようになってるんですねぇ。


 別のエッセイでも書いていたと思いますが、この秋に転職しまして。10月1日から今の店で働いているのですが、その前に溜まっていた有給を消化してから退社したわけです。

 ですから、40日あまり専業主夫になってたわけです。掃除、洗濯、炊事、それとスーパーへお買い物。安いものを探しにスーパーをしちゃったりするわけです。


『この人、毎日来てるけど無職かなぁ』


 とスーパーの店員に思われてたに違いない。自意識過剰だけど。


 8月22日から専業主夫的生活が始まって、始めのうちは子供が夏休みで朝昼晩作ってたんですけど、子供たちの学校が始まると、昼は1人なんですね。

 食べてくれる人がいると色々工夫したくなるんですが、1人分だとどうでもいいんですよね。前日の余りでもいいんですが、大学生の息子と中学生の娘は食べ盛りなので、夕食が残るということがあまりない。

 インスタント麺で済ませようとしても、50が近づいているオッサンの胃にはキツい。2日も続くと胃もたれしてくる。お惣菜を買ってくるにしても高いし、それも続くと胃もたれする。


 元々鼻が悪いので、何を食っても美味いと思ってしまう。不味くて食えない思いをしたのは、人生でそんなにない。とりあえず食べれちゃう。多少、賞味期限が切れてても食べちゃう。でも、胃が弱いから念のため赤玉を飲んでおけば大丈夫。


 そういう感じで、冷蔵庫の余った食材で簡単に作れるものをなんとなく手を加えれば料理した気分になれる。

 手を加えた分、なんか体にも悪くないような気がする。それに適当な気分で適当に作ったものが、案外成功することもある。


 息子が午前中寝てるから、今日は授業がないのかな、と思っていると、「やべえ、遅刻する!なんか食うもんある!?』と言われて、急いで作ったチャーハンが好評だったりする。

 その時は冷飯と高菜ラーメンを作った時にちょっと余った高菜漬け。あと、なぜか1本だけ残っていたソーセージ。ニンニクチューブと味覇で炒めただけ。


『ベチャベチャで美味い!』


 と褒めてんのか貶してるのか。急いで作ったからパラパラになるまで炒められなかったんだよ!


 とまあ、こんな感じで作った適当料理を紹介してみようかな、と久々にカクヨム更新したいと思います。



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