夜音憂の学生生活

@y0rune_kun

第1話 時村 一との出会い

これは、僕の学生生活を日記としてまとめた話だ。



僕の名前は夜音 憂(よるね ゆう)、これといってなんの特徴もない普通の高校生だ。

幼い頃から内気で臆病な僕は、小,中,高と友達の少ないまま学生生活を過ごしてきたのだが、最近少しおかしい奴に絡まれている。


「おはよう夜音君、今日もいい日だね」

それがこの男、時村 一(ときむら はじめ)だ。

こいつと出会ったのは数週間前、僕が教室に居残り日記を書いた後、帰ろうとしていた時のこと。

「よし、これくらいにしてそろそろ帰るか。」

「おや、夜音君じゃないか」

僕は声のした方へと振り向いた

「えーっと、誰だっけ」

「酷いなぁ、同じクラスじゃないか」

「悪いが、僕は人の名前を覚えるのが苦手なんだ」

彼は残念そうな顔をしながらも、自己紹介をした

「僕の名前は時村 一、一応席隣のはずなんだけど…覚えられてなくて少し残念だったよ」

僕はこんな変なやつが隣の席だったことを知らなかったので、驚きを隠せずにいた。

「何をそんなに驚いているんだい?」

「いや、君みたいなやつが隣の席だったなんて知らなかったからな、驚きもするよ」

僕は思っていたことを口に出してしまった

「それは褒めてるのか侮辱してるのかどっちなんだい?」

かなり面倒くさい質問が飛んできた、早く帰りたいんだが、ここは適当に答えてやり過ごそう。

「まぁ、一応褒めてるってことにしとくよ」

「なんだか素直に喜べないなぁ…」

笑顔が霞んだのが手に取れるほど分かりやすい奴だなこいつ。

そう思いながらも僕は早く帰ってゲームがしたかったので、その日はもう帰った。


「はぁ〜…」

今日は本当に疲れた、家に居ても何もする気が起きない。

「仕方ない、日記の続きを書くか」

僕は日記とシャープペンシルを取りだし、今日起こったことを書き始めた。

1文字1文字丁寧に、誤字脱字の無いよう気をつけながら書き続けた。

「あれ…」

いつの間にか時間は23時をまわっており、書き始めてから4時間程経過してしまっていた。

僕は昔からの癖で、日記を書くのに没頭するといつの間にか書き続けてしまうのだ。

「いい加減この癖直さなきゃな」

そう独り言を呟きつつ、その日はもう寝た。


次の日、目を覚ました僕は珍しく寝坊をしてしまっていた。

「やばい寝坊だ、急いで準備しなきゃ」

いつも通り制服に着替え、荷物を持って家を飛び出した。

いつもより早いペースで進んでいたためか、学校に着く頃に僕はヘトヘトになっていた。

「ギリギリセーフ…」

遅刻まであと2分という所で学校に到着した。

「疲れた…」

僕は急いで教室に向かい、授業を受ける準備をした。

「一時限目は現代文か…」

授業の準備をしていると、彼が来た

「おはよう夜音君、なんだか疲れた顔をしているね」

「まぁ、疲れてるからな」

僕は少しイラつきながらも、こいつとの会話を適当に流した


「授業が終わった、休憩時間か…」

僕は授業が終わったので、ずっと読もうと思っていた小説を鞄から取り出した。すると…

「なんだよ」

時村が話しかけてきた

「何をピリついているんだ?」

俺は思わず

「今から小説を読むところなんだ、邪魔をしないでくれ」

と、彼に向かって少し強めに言ってしまった

「あ、あぁすまない」

彼は少し驚いた様であり、少し反省しているような感じでもあった。

小説を少し読んだ後、休憩時間が終わろうとしていたので、僕は次の授業の準備をしていた。

「しっかり者だねー夜音君は」

また来た…こいつ本当に反省してるのか…?

「授業遅れるぞ」

僕はそう彼に助言した

「あーたしかにそうだね」

たしかにって…普通に考えたらわかることだよな、僕の感覚がおかしいだけなのだろうか。

いや、僕の感覚は正常なはず…きっとそうだ


そんなこんなでまた一日が終わった、毎日同じ生活をしているはずなのに、今日はどっと疲れた。

「今日はもう寝て休むか…」

僕はそう一言言い眠った

さらに時村からの絡みは数週間に渡り、今もなお続いている、面倒くさいなんてレベルじゃ無くなったが、少しずつ慣れてきてしまっている自分も居る。


これから先僕の学生生活はどうなって行ってしまうんだろうか…とても不安だ。


そしてこれから先色んな奴らとの出会いがあることを、この時の僕はまだ知る由もなかったのだった。

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