(二)-9

 メグは無数の薬莢が散乱している階段をさらに上がった。一つ上の階に上がる手前の折り返しの踊り場に、黒いプロテクターをした人間がうつぶせに倒れていた。その背中に回された腕の片方には盾のマークにMGKSというアルファベットがあしらわれたワッペンが付いていた。そしてその先の手の平の親指には右と左を結束バンドでまとめられていた。

 そのそばにはエレーナが立っていた。小銃は肩に掛けられていた。戦い終わってから肩に掛けたのかはわからなかったが、エレーナは格闘戦のエキスパートだ。近接戦闘になれば、銃を使わずに敵を倒せる。さきほどの発砲音もエレーナのではなく、敵の銃の音だったのだろう。

 すぐにヨギョンも階段を上がり追いついてきた。メグたちはさらに階段を上がった。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る