航跡の水泡に消える
【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名
(一)
「ミツル・ウジマがいるぞ!」
ヘリのローターの爆音の中でメグ・カーンズは耳につけたインカムから無線の声を聞いた。隣のヘリに乗っている第一分隊副長のロン・チャンの声だった。
次の瞬間、目前に迫っていたコンテナ貨物船『ダバオ・ハーバー』のデッキの一角から一筋の煙が走ったのが見えた。それに一秒の間を置かずに、隣を飛ぶヘリとメグの乗った機体が四五度傾いた。
ヘリの急な旋回行動で、メグはシートベルトを締めた座席で目が回りそうになった。そしてすぐ近くで爆発が起き、機体はさらに上下左右に振動し、メグは小さく悲鳴を上げた。
(続く)
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