久田高一

一体どんな偶然かしら。

必ず骨は燃え残る。

火葬場かそうばの炉を眺めると、

全て燃えても良さそうものを。


家に帰った写真の側の、

君の骨だけ抜き取れば、

勢揃いした遺品の態度、

飼主のない忠犬のよう。


やはり、たまらなく寂しいよ。

どんな立派な玉座でも、

王がいなけりゃ、ただの椅子。


今、遂に、君は玉座に就き、

完全性が放射する。

燃え残るのは、必然だった。

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久田高一 @kouichikuda

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