ロボットのブラッドリーとぼく

弥生ホノカ

第1話 はじめまして、ブラッドリー。

 僕の名前は、アーチー・スチュワート。今年で5歳になったんだ。今日は今までずっと楽しみにしてたクリスマス。ママが僕の部屋のドアを勢いよく開けた。

「アーチー、リビングにサンタさんからの贈り物があるわよ。起きて!」

ママは僕のベッドの中に飛び込んできた。

「おはようママ!」

「おはよう、アーチー!」

僕とママは笑いながらハグをした。

「ねぇねぇ、今年のプレゼントはなんだと思う、ママ?」

「さぁ、どうかしら。自分の目で確かめてみたら?素敵だったわ」

僕のお家では、毎年サンタさんにプレゼントを決めてもらっているから、何がもらえるかはわからないんだ。僕は急いでパジャマの上からパパがくれたブランケットを羽織って階段を駆け下りた。ママに「まるで子犬ね。転げ落ちちゃうわよ!」って言われたけど気にしない。だって、クリスマスだもん!僕はワクワクしながら勢いよくリビングのドアを開けると、パパがソファに座っていた。

「おはよう、アーチー。メリークリスマス!」

「メリークリスマス、パパ!」

パパとハグをしたあと、僕はテレビの隣にあるクリスマスツリーのところに走った。

「これはなに?ママ?」

クリスマスツリーの下にあったのは、僕よりパパのビール瓶一本分くらい小さくて、丸くて、てっぺんに目が2つついたロボットだった。ママはふふふっと笑いながら、「ブラッドリー、アーチーが起きたわよ」とそのロボットに話しかけた。

「グッドモーニング、アーチー!」

ロボットはぐるんと僕の方に体を回してこっちをみた。

「わぁ、すごいや!」

僕がそう言うと、ロボットは体の下の方からタイヤを出して、体の真ん中辺りから手を出して言った。

「はじめまして、アーチー。僕の名前はブラッドリー。よろしく。」

と、手を差し出した。

「ブラッドリーって言うんだね、はじめまして!」

僕はブラッドリーの手を握って握手をした。

「シェリー、エリオット。アーチーとは仲良くなれそうだよ!」

「あら、私たちの名前も覚えてくれたのね、嬉しいわ」

「アーチーに新しい友だちができたな」

ママもパパもにこにこ笑ってブラッドリーと握手をした。ブラッドリーは僕のところに来て、ハグをしてくれた。


 「アーチー、君の好きな食べ物はなに?」

「スパゲッティだよ、ブラッドリー」

「好きな絵本はある?」

「この本棚の絵本はぜーんぶ大好きさ」

「アーチー、君の好きな…」「僕はね…」

僕はひとりっ子だから、ママやパパが忙しいときはいつもさびしかったんだ。でも、ブラッドリーがいるから、もうさびしくないね。

 はじめまして、ブラッドリー。

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