第4話 人材登用
…漢の忠臣か…
「ん?劉良…何か不満か?」
劉良の何とも言えない態度に張挙が気づく。
「ふっそりゃ〜張挙お前
忠臣と言うより悪徳文官に見えるからな」
張純が笑いながら張挙を揶揄う。
「ふっ…将軍時代から
よく山賊に間違われたお前に
言われたくないな」
「確かにな…はっはっは!!」
そう軽口を叩いている二人を見て
劉良は、苦笑いを浮かべる。
「それでだ、本題に入るがいいか?」
「はい構いません」
劉良は、姿勢を正し話しを聞く。
「まずは、この私張挙からの頼み事だが
そう言えば母君は、今日は居ないのか?」
「すいません、周辺の豪族達の集まりが
ありましてそれに出かけております
ですのでここでは代わりに
私が聞いてもよろしいでしょうか?」
劉良は、申し訳なさそうに頭を下げる。
「気にしなくていい突然尋ねたのは
私たちなのだから
それで頼みたい事なんだが
確か其方の母は、
兗州の豪族高家の娘だったな?」
「はいそうです」
「うむそれでな、母君に良ければ
兗州の豪族との
橋渡しをしてもらいたいのだ
やはり初めて赴任する場所だからな
人脈が欲しいのだ。」
「なるほど…しかし母上は、
嫁いでから一度も兗州に帰っておらず
あまりお役には立たないかもしれません」
言葉を濁したが母は、
駆け落ち同然で父と結婚したらしく
実家とは疎遠になっている。
実際自分は、前世でも母方の人間と
会った事がない。
母が言うには力のある豪族と言っていたが
兗州の高家か…どんな家なのだろう。
「…ふむ…しかしダメで元々
頼んでくれないだろうか?」
張挙は、劉良の言いたい事に気づいたが
その上で申し訳なさそうに頼み込む。
「うーん、わかりました
母上が帰ってきましたら
相談しておきます」
「うむ…頼む」
張挙は、言いたい事が終わったのか
張純が代わりに話し出す。
「よしそれじゃ次は俺だな
俺はズバリ人材が欲しい」
「はぁ…?」
「なんか張挙と態度違くないかッ!?」
いや、張挙様は後見人となった後
たびたび珍しい書物などを贈ってくれたり
便宜を図ってくれていたが
張純様は、酒をたかりにくるだけだったからな〜
「ふっ人望の差だ」
「なっ!?そんな事ないよな!?」
「そんな事どうでもいいではないですか
それで張純様は、どんな人材をお探しで?」
うちの斡旋所の話でも聞いたのだろうか
確かに最近評判になり豪族や有力者から
優秀な人材を紹介して欲しいと
母上や私に時々お願いされている。
劉良は、斡旋所から届けられていた名簿を思い出しながら話を聞く。
「なっ誤魔化された…チッまぁいい
欲しい人材は、文官だ!!」
「…文官ですか」
…少し話が変わってきたな。
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