第二十八話 好きな物
「…と言うわけよ」
劉虞が帰ってから少し後
劉良は、母から劉虞とのやり取りの
説明を受けていた。
「なるほど…あの会話の中に
そんな思惑があったなんて」
「そうよ〜あのまま受け入れてたら
良、貴方身動き取れなくなって
刺史の思いのままになってたわよ
最悪、貴方に政策によって生まれた
悪意を全て押し付ける事だってあり得るのよ?」
まさか自分の後ろ盾云々に
そんな思惑があったなんて、
くそっ…自分の実力不足を感じる。
前世ではこんな事は…
いや自分が気づいていなかっただけか…
「ふふ、落ち込まないの貴方は、
まだ子供なんだから
ねっ?賈詡殿貴方もそう思うでしょ?」
「…はい、しかしまさかあんな方法で
解決なさるとは、肝が冷えました
もう少し穏便にできたのでは?」
「あら賈詡殿ともあろう者が…
穏便など悠長な事を
ふっと吹けば消える様な豪族は、
これぐらい危険な橋を渡らなければ
生き残れないわよ
貴方、乱す事は得意でも
守る事は苦手なのね?」
「申し訳ございません
まだまだ私は、未熟者の様です」
「ふふそれが理解できたのなら
貴方は、もっと伸びるわ」
賈詡は、高春に頭を下げる。
あの賈詡が母上に頭を下げている。
劉良は、その光景を信じられなかった。
「…それにしてもこうなると
他の事も急がないといけないわね」
「他の事?」
「ええ劉良、貴方…どんな子が好き?」
「は?」
「元気がいい子?それとも大人しい子?」
「いっいやあのそう言う事じゃなくて」
「劉良は、尻が好きですよ」
「!?」
華雄先生の方を振り向く。
「あらあら、そうなの?
良も男の子ね〜」
「ちっ違います!!華雄先生!!」
「何が違う?侍女が通りかかると
いつも尻をチラッと見るじゃないか」
「劉良…様」
母上の隣に立っていた春蘭が顔を赤らめお尻を手で隠す。
「ちっ違うんだ春蘭!!
先生が適当に言ってるだけで」
「おいおい、俺が嘘言ってるって?
武人たる者、人の視線を読めずに何とする」
それの技術をくだらない事に使うな!!
劉良は、華雄を睨みつけるが
さっきのお返しだと笑みを浮かべていた。
そして、この話が何故か広まり
屋敷だけではなく荘園の侍女達まで
数日間、劉良に会ったら背中を見せなくなった……くそ。
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