第六話 凡才である【賈詡視点】

ゴクッゴクッゴクッ…ガンッ

「飲み過ぎだぞ」


隣でガバガバと水のように酒を飲む華雄に注意をする。


「うるせえ…好きに飲ませろ」


華雄は、部屋に帰って飲み始め今になるまで

ずっと不機嫌でそれを見てるだけで

酒が不味くなる。


「お前は、イラつかないのか?」

「…何がだ」

「何がって、さっきのふざけた話だよ!!」

「…うるさい、あんな話し聞いて

 気分がいいわけないだろ」


賈詡は、先程の出来事を思い出す。


        ・

        ・

        ・


「すまないね突然呼び出して」


夜中、この家の主人である劉子敬殿に呼び出される。

劉子敬殿とは、

幽州に滞在する間部屋を貸して頂いている

うえに御子息の家庭教師をしている関係だ。


「いえ劉子敬殿がお忙しいのは、

 わかっておりますから…

 それで今回呼ばれたのは御子息のことでしょうか」


「あぁその通りだ、

 単刀直入に聞きたい

 劉良は、二人から見てどうか?」


賈詡と華雄がお互いを見た後

口を開こうとする前に、

思い出したように劉子敬が、

「あぁちなみにお世辞とか無しで頼むよ」

と言うった。


その言葉に賈詡は、違和感を覚える。

「それは、どう言う事でしょうか?」


「ん?いやなに理解してるだけさ

 


「あっ?そりゃ「…抑えろ」」


賈詡は、華雄を止め劉子敬に問う。

「劉良に才能がないと?」


「あぁその通りだ、

 なのに最近は、調子に乗り出してきてね

 儒教を軽く見るようになってしまった」


劉子敬は、忌々しいように語る。

「しかし確か貴方もそれに賛同していた

 と聞いておりますが?」


「フン…それは、妻の手前だったからだ

 妻は、劉良を溺愛しすぎているのでな

 機嫌を損ねたくなかったのさ」


「……だがよ、まだ劉良は子供だぞ

 才がないと切るには早すぎるだろ」


話を聞いていた華雄が口を開く。

…あぁだいぶイラついているな頼むから暴走しないでくれよ。


「いや才がない、私にはわかるのだよ」

「あ?」


劉子敬は、窓の外を見る。

「私の甥に劉備玄徳と言う男がいる」


「それが劉良と何か関係が?」


「格が違う」


「何?」


「人としての格が違うのだよ

 あれこそ英雄になる男なのだろう

 あれに比べると劉良は…」


なるほど…この男は、その劉備とやらに心酔して息子が劣っていて才がないと思っているのか…比べるものでもないと言うのに、

…くだらんな…


「と話がそれてしまったね、

 それじゃ聞こう劉良は、

 どれほどの才を持っていてどうやったら

 身の程を弁える?」


賈詡は、少し考えた後口を開く。

「劉良は……」








こんにちは、ここまで読んで頂き有難う御座います。

もう一話賈詡視点が入ります。

最後にフォローやコメント、ハート有難う御座います。

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