第三話 二人の師匠が出来ました!?

『劉良…お前は逃げろ』


『父上!!』


兵が俺達を探している

くそ!!何で俺達がこんな目に、


『…すべて劉備のせいだ!!

 劉備があんな罪を犯すんなんて!!』


『…良』


黄巾党討伐の功により中山国安熹県の尉に

なった劉備だったが、

事もあろうに郡の督郵を

杖で叩き半殺しにして逃亡してしまったのだ。


当然そんな事をしたのだ許される事はなく

劉備は、罪人となり連座で

劉備の一族である我々も

捕縛対象になってしまった。


『いいか良、ここから逃げ出したら

 幽州から逃れて潜伏しときが来たら

 お前は兗州の高春の元に行くのだ

 わかったな』


母上は、この問題が起きた瞬間

父上から離縁されて実家に戻されていた。

その母を頼れと言っている。


『父上は、どうするのです!?』


『私か?…私も勿論逃げるさ』


いたぞ!!あそこだ!!


『まずい!!さぁ良よ逃げよ』


俺は、従者に馬に乗せられ

父の背中を見ながら遠ざかっていく。


『父上!!父上ーー!!』


『……元気でな』


         ・

         ・ 

         ・


「もう大丈夫か?」


「あっはい大丈夫です父上」


劉良は、涙な濡れた顔を洗いに行き戻ってきたしかし恥ずかしい親の前で泣くなんて。


「まったくびっくりしたぞ」


「申し訳ありません」


謝ると気にするなと父上が慰める。

母上も優しそうな眼差しでこちらを見ていた。


「…しかし、真面目な話をすると

 菅子の他に興味があるか?」


「えっと…孫子も学びたいし、

 弓や槍とか武術も学びたいです」


「ふふ、前までは勉強したくないとか

 言ってたのに今は勉強熱心ね?」


「えっああその」


「良いじゃないか

 やる気になってくれるなら」


「そうね、それでどうしましょうか?

 盧植様の所に行くには、

 良は、若すぎますし」


盧植先生の塾か…

前世では、通っていたが先に通っていた劉備の悪評のせいで正直

良い思い出は無い。


「うーんならば、家庭教師を雇おうか?」


父がそう言って、家計を握っている

母上の方を見る。


「大丈夫ですよ、

 そのくらいの余裕はあります。

 ですので旦那様は、優秀な先生を

 探して来てください。」


「ああ勿論さ、劉良もそれでいいか?」


家庭教師か…前世ではこんな事なかったな…

しかしこれは、チャンスか

前世の記憶と経験もあるんだ

ここで頑張って両親の信頼を勝ち得て

まずは、あの劉備碌でなしから距離を置こう。


劉良は、姿勢を正し両親に頭を下げる。


「はい、父上よろしくお願いします」


「うむ、任せておけ」


と言う事で家庭教師がつく

事になったの……だが数日後

俺の前に現れた二人は…


「初めまして私は、賈詡と言います

 そして…」

「俺が華雄と言う」


「………へ?」

 

「文は私が、武は、華雄が担当します

 どうぞ宜しくお願いしますね劉良殿」


なっ…なっ…なにッーー!?

後に天下に名を知らしめる二人だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る