サンタ・デコル・テ(4)(2023/12/14)

 こうなったならば奥の手だ。手でデコるのではない、手をデコるのだ。

 三田みつだは考えることをやめない。思考だけならばどこまでだってゆけるのだから。

 感じるだけでは辿り着けない、深いところへ。

 なんて格好をつけてみたはいいけれど、大層なことではない。要は三田、巷ではサンタネイルというものが流行っていることを知ったのである。

 凸る手。いかにもそれらしいではないか。

 娘だって、カサカサの手をしたサンタよりもデコデコ賑やかな手のサンタにプレゼントを贈られるほうが嬉しいだろう。

「わぁ〜! サンタさんにサンタさん!」

「ふぉっふぉっふぉ。よい子にしていたからの、サプラーイズじゃよ!」

「かわいい!」

 そんな娘が可愛い。これはいけるぞ。三田はニヤリとした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る