　三田（みつだ）は、大事な娘には寒い思いをしてほしくないのである。

　温かい気持ちで、にこにこの笑顔を浮かべていてほしいのである。

　それは額に当てた缶の丸さであったり、残ったコーヒーで作ったラテの淡さであったりする。ぬくもりのかたちは、こうしてさまざまに変化して人間どうしを結んでいる。パパと娘だって、どこかしらであたたか〜く繋がっているはず。

　これもまた三田の作戦であった。

　ところでお忘れかもしれないが、手編みマフラーはちょっぴりでこぼこしている以外は順調に進んでいた。可愛い娘にぴったり、楽しい思い出たっぷりの、ラテ色のマフラー。これだってひとつのぬくもりのかたちだ。

　ちょっぴりびっくりするような。だけどホッとするような。

　そんな思いを込めて、編んでいく。

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