サンタ・デコ・ルテ(3)(2023/12/08)
話を缶缶に戻すとしよう。「あたたか〜い」飲み物というのはだいたいがスチール缶で提供される。それは熱の伝わりやすいアルミ缶よりも温度を保ちやすいからであるが、さてどうしたものか、
「僕の愛が伝わりにくいのは困る。だけれど、渡すまでに冷めてしまっても困るんだ」
プレゼントを入れる箱の話である。
大事なプレゼントなのだから、箱だってこだわりたい。うーん、うーん、と唸ること半日。今持っているラテは何本目だろう。
強ばった指をもにょもにょ動かす。額に缶を当てる。温かい、どころか熱い。けれど温まらない。
ラテをルテと言ってしまうくらいに缶缶が熱くても、身体が温まるわけではない。冷たいものは冷たいまま。三田のため息は北風に紛れ溶けていった。
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