明壁 信

「全てわかりました」


 自信に満ちた声が響いた。慎重で断定を避けがちな性格は時々優柔不断にも見えるけど、こうしてみるとなるほど、いざ断言するとその信憑性はかなりのものと感じさせる。

 これで全てが終わる。最高の結末を確信して思わず顔が緩む。あとは、気になっていた答えを聞くだけ。さぁ聞かせて。


「猫の正体は、…」


 え、分かったってそっち?本当に分かっているの?でも、分かっているならそれを言ったらどうなるか分かっているよね?お願いやめて!


あっくん!


「君だ」


 無情にもその指先は私に向けられた。

「正解!猫は松島 緋奈子様です。これにより松島様は失格となります」


 八木さんの声を聞いて目の前が真っ暗になった。

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