最後の課題
僕たちはしばらく待機したあと、夕食の知らせを受けて、待合室へと向かった。そこには八木さんの姿もあった。高塚さんの言っていた通り傷は浅く、大事には至らなかったとの事だった。そして、今回の件は事件にしたくないという理由から示談で済ませたと説明があった。
これで現在残っているのは、布留さん、東さん、梢さん、大樹さん、高塚さん、ヒナ、僕の7人になった。食後に八木さんが口を開く。
「アクシデントがありましたので、次を最後の課題と致します。中山、説明を頼む」
「はい、最後の課題は明日二人以上で協力して行います。一人をご希望の方は、私がパートナー役を務めますので、当日に指示して下さい。それでは最後の課題『G7の国旗』のルールを説明します。会場は会議室です。これ以降の説明で出てくる『旗』はG7加盟国の旗とします。その部屋には1番から6番まで6本のポールがあります。そして、そのポールには『6カ国の旗があがっている』もしくは『5カ国の旗が上がっていてどれか1本のポールには旗がない状態』のいずれかになっています」
山本さんはホワイトボードに時折り書きながら説明した。
まず、G7加盟国は、(米)アメリカ、(英)イギリス、(加) カナダ、(仏)フランス、(独)ドイツ、(伊)イタリア、(日)日本です。つまり
①仏②英③日④独⑤加⑥伊
または
①日②米③加④英⑤無⑥仏
と言った状態になっているわけです。1つのポールに2旗以上の旗はあげられません。
まずは一人のみ入室し、各ポールに上がっている旗を確認します。
次にその方はサイコロを振り、出た目と同じ番号のポールの状態を変更しないといけません。
以降サイコロの目が4であったものとして説明します。
ここで取れる行動は以下の通りです。
・そのポールに旗がない場合
→何か旗を上げる。他のポールと同じ旗をあげることも可能です。
初期状態が①日②米③独④無⑤伊⑥加なら
①日②米③独④仏⑤伊⑥加
でも
①日②米③独④独⑤伊⑥加
でも良いという事です。
・そのポールに旗が上がっている場合
→その旗を取り除く。他に旗のないポールがあっても構いません。
初期状態が①日②無③独④仏⑤伊⑥加でも
①日②無③独④無⑤伊⑥加としても問題ありません。
もしくは
→別の国の旗に変える。他のポールと同じ旗をあげることもできます。
初期状態が①日②米③独④仏⑤伊⑥加なら
①日②米③独④伊⑤伊⑥加としても
①日②米③独④英⑤伊⑥加としても良いということです。
尚、旗を半旗にしたり逆さまにしたりと言った他と異なるあげ方はできません。
中山は姿勢を正して、次の説明に移る。
「その後退室し、もう一人が入室します。そして、元の状態を当てることができたらチャレンジ成功です。例によって間違えた場合は、その場で失格となります。今日の残りの時間は作戦会議の時間としてお使いください。明日、申告制で課題にチャレンジしていただきます。課題中は当然、一切のコミュニケーションは禁止です。説明に登場しなかったあらゆる手段は使用禁止です。尚、消灯時間は23時となっております。以上ですが何かご質問はありますか?」
誰も質問する人はいなかった。
「質問もないようですので、お部屋に戻られても結構です」
「あっくんは私とペアだね。東さんと梢さんも組むだろうけど、他の人はどうだろ?」
「単独なんじゃないかな?部屋に戻ったようだし」
「さっき言ってたG7の国旗だっけ?あっくん分かる?」
「まだ全然わからないよ、ちょっと考えてみないと」
「よし!じゃあ作戦会議ね!」
そうヒナは意気込んだが結局答えは見つからないまま、消灯時間を迎えた。
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