人生の歯車 - 苦難と支えの経験談 -

志泉 涼泰-Shimizu Ryota

序章

序章 普通の大学生

 「涼泰りょうた!行くぞ〜」

 いつも大学で一緒に居る友達が私に呼びかけた。

 志泉しみず涼泰りょうた、二十歳。普通の大学生は、いつも通りの学生生活を過ごしていた。

 ただ現在も私は、とある後遺症と闘っている。

  - 新型コロナウイルス ワクチン後遺症 -

 最近だと、ニュースでも取り上げられるようになってきた。


 二〇一九年十二月上旬、中国の武漢ぶかん市で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が初めて確認され、翌年一月中旬には、日本でも感染者が確認された。

 二〇二〇年は、緊急事態宣言の発令や、東京五輪の延期、コンサートやプロスポーツの無観客化など、新型コロナウイルスは様々な影響を及ぼした。

 各企業は対応に追われた。ディズニーリゾートやUSJなどのテーマパークは臨時休園、百貨店は臨時休業、その他店舗は時短営業などを行った。

 このとき行動は極度に制限されていたと思う。

 これを受け日本政府は感染拡大防止対策として、モデルナ製・ファイザー製のワクチン接種を国民に推奨すいしょうした。

 二〇二一年夏季、ちょうどオリンピックが無観客で開催されていた頃だろうか。私の手元に新型コロナウイルスのワクチン接種券が届いた。

 このとき私は高校三年生、社会科教師が将来の夢だったこともあり、国公立の大学への進学を考えていた。

 このとき、新型コロナウイルスは私にとって未知のウイルス。だが、感染するとしんどいのは分かっていた。

 「感染するのは嫌だな」と考えていたこともあり、九月上旬にワクチンを接種することにした。

 この選択が、私にとって大きな影響を及ぼすことになるとは知らずに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る