百合の寝台
柳川麻衣
1
開けた箪笥の抽出に肘をつき、色とりどりの花畑のような下着を眺めて、裸のままゆりのは迷っていた。どれを着けていくか決められない。熱いシャワーで火照った肌は、冷めてかけている。
今日はきっと久しぶりで下着姿を人に見せることになる。ふわふわのフリルをあしらった白の無地が清楚でいいだろうか。いや、白イコール清楚という発想は安直すぎる。桃子が肌に映えて色っぽいと褒めてくれた、アンティークゴールドに紫紺の刺繍のブラジャーを合わせてみるが、過剰に艶めかしく見えて怖じ気づき、ゆりのはそれを戻した。
桃子は今、どこで何をしているのだろう。今でもあの店、リ・ドゥ・リスで働いているのだろうか。あんなことがあったから、辞めてしまったかも知れない。再々婚している可能性もある。……そして、蓮実は。蓮実はどうしているだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます