めで鯛

ボクがこの世に生まれてから100日が過ぎたお祝いの「お食い初め」という儀式を両親はしてくれたんだ。今までずっとママのおっぱいと粉ミルクだけを飲んで生きているボクも、どうやらあと1〜2ヶ月すると固形物の食事の準備に入るらしいんだ。先ずはやわらいものからゆっくりと慣らしていくらしい。ママもパパも大変だよね。おかゆを作ったり、食べ物をすりつぶしたりしてボクが食べられるようにしてくれるらしいよ。そのうち歯というのも口の中に生えてくるんだって。ボクは毎日進化を続けるロボットみたいだ。


お食い初めのお祝いの日は、ママのパパとママが来てくれて儀式が始まったよ。ボクのおっぱいやミルクやおむつの世話をしながらの準備は、ママもパパも大変だったみたいだ。パパはお寿司を買いに行ったり、家の掃除をしたり、お赤飯を作ってくれたりしたけど、お赤飯の炊飯器のボタン押すのを忘れちゃって…。でも、予定より少し遅れたけど式は始まったよ。


まずはジジーがボクを抱っこしてくれて、取り寄せたお食い初めセットのご馳走を儀式の順番に従って、バビーがボクに食べさせる真似っこをしてくれたんだ。それを何度も繰り返しては写真を撮るので時間が随分かかって。次はママとパパも同じようにしてくれたよ。バビーは自分がママを育てた時にはもっと簡単にお食い初めをしたと言って驚いていたよ。歯が硬くなるようにと石を口に当てるというのだって、初めて聞いたらしいよ。文化とやらはどうやら、時代と共に進化して変化していくらしいんだ。ジジーがそんなようなことを言ってたよ。


で、無事に儀式は終わり、ママもパパもご馳走をいっぱい食べて嬉しいそうだったし、バビーとジジーは人気らしいポケモンケーキを買って来てくれたよ。手先の器用なパパは残った鯛をきれいにほぐして、鯛の頭をきれいにトッピングして鯛めしを作ってママと夕飯に食べたんだ。見ていたら、ボクやっぱり大人の食べる食べ物が早く食べたくなっちゃた。

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