ある特定の物事に対しての解像度が高い人だけが著しく違和感を覚える文章

中原恵一

静岡県浜松市出身の人だけが著しく違和感を覚える文章

　せっかく浜松に来たのだから、噂のきさらぎ駅とやらを見にいこう。

　そう思ったワタクシ、実際に行って参りました。

　新幹線ひかりで東京駅から新浜松駅まで二時間、そこから遠州鉄道の「天竜浜名湖鉄道」に乗り換えて終点「さぎの宮」を目指します。ここが映画「きさらぎ駅」のモデルになったとされる駅です。

　さて、真っ赤な車体がキュートなこの天浜線、車窓からは浜松の町の景色が見えますが、結構都会な印象ですね。朝８時に駅前の杏林堂というローカルコンビニチェーンでお茶とおにぎりを買いましたが、出勤通学する人たちがたくさん歩いていました。

　さて、国道１号線を駅からアクトタワーに向かって北上すると、現在放送中の大河ドラマの徳川家康ゆかりの姫街道なんかがあります。さぎの宮のあたりは工業地帯で、うなぎパイで有名な春華堂や浜松餃子の工場なんかがあります。

　そして何よりも外せないのは炭焼きレストランさわやかです。

　こちらの目玉メニューはなんといってもあの有名なげんこつハンバーグなんですが、写真の通り、プレートの上にげんこつサイズの丸いハンバーグステーキが二つも乗っていてボリュームたっぷりです。中に入った玉ねぎもいいアクセントになっています。（ちなみに、ハンバーグの入ったメニューをチョイスすると、サラダバイキングが無料でついてきます。なんてお得なんでしょう）

　さて、お腹も膨れたことだし、きさらぎ駅のモデルになった「さぎの宮駅」を見ていきましょう。

　木造の古い駅舎には、最近は前述の映画に加えてどうやら進撃の巨人とコラボしているようで、関連商品のポスターやらが貼られていました。

　自動改札をスイカで通過しようとしたとき、駅員さんに、

「あなたも進撃の刃（やいば）の人だに？」

　と突然尋ねられ、そうだと答えると、

「そうらー、そうらー、最近多いだよ」

　と笑っていらっしゃいました。