第3話:我慢できないだろ?

で、結局俺はクリスマスと付き合うことになった。


彼女のくちぐせ。


「それ、なにか?」


地球へ来てそれほど経ってないからか、知らないことが多すぎる。

そのたびに「それ、なにか?」って聞いてくるから最初は適当にあしらって

たら優しくないって怒った。


だから、面倒臭くても、ちゃんと答えてやらないといけない。


可愛いし美人だし愛情いっぱいだし言うことないんだけどちょっと常識に

欠けてるところがある。

まあ子供を育ててるって思えばいいだけの話だけどね。

それに本当の猫と暮らしてたってコミュニケーション取るのはなかなか

難しい。


で、付き合うことになった僕たちは最初は待ち合わせをしてデートを重ねた。


そのうち待ち合わせをすることがおっくうになってきた。

それはクリスマスも同じだっらしく、それじゃ〜どっちかのマンションで一緒に

住もうかってことになった。


で、彼女のマンションのほうが僕のマンションより高級。

クリスマスは僕と稼ぐ金額が違う。

彼女はコンパニオン以外にモデルもやってる。


人間から見たら彼女自体コスプレしてるみたいなもんだから。

それが意外性があっていいみたいだ。

それにモデルをするだけあって身長も俺より高い、170センチはある。


だから当然、俺が彼女のマンションに移ったわけ。

移ったって言ったって同じステーションんに中だし少し移動しただけ。


で、とある日の仕事が休みの時。

明日までに仕上げないといけない仕事が残ってたので朝飯を食べてパソコンに

向かって仕事に取り掛かろうとしてたら・・・案の定、来た。


邪魔しに・・・。


「マッケンジー、なにしてるか?」


「し〜ご〜と〜」


「お休みなのに?」


「あのね、どうしても明日までにやっとかなきゃいけない仕事があるの・・・

会社でできなかったからね、しかたないだろ?」


「それ、なにしてるか?」


「チラシのデザイン考えてるの」


言ってなかったけど、僕は宣伝広告や販売促進等の広告用のチラシ制作会社に

勤務してるから・・・そこでデザイン全般をやってる。


「チラシ?・・・それ、なにか?」


「ん〜とね・・・お店の宣伝・・・アピールって言うのかな」

「うちはこんなにいい品物売ってますよ〜ってみんなに知らせてあげるためのリーフレットって言うかパンフレット・・・作ってるって・・・」


「パンフレットって分かる?」

「・・・分かんないよな」

「説明が難しいんだよな・・・」


「ふ〜ん・・・ねえ、せっかくのお休みなんだから、そんなのやめてタビーと

ニャンニャンしようよ?」


「いやいや・・・ダメダメ・・・やっとかなきゃ」

「急いで作ってデータ回さななきゃいけないんだから・・・」

「納期までに仕上げないと給料もらえないだろ?」


「つまんない・・・」


そう言ってタビーは僕の後ろからしがみついてきた。


「お〜っと・・・だから〜やめろって、仕事できないだろ」


「ゴロニャン」


「ゴロニャンじゃなくて・・・」

「いい子だから・・・これさえ片付いたら、いくらでも相手してあげるからさ、ね」


「いつ終わるか?、それ」


「分かんない・・・」


「う〜んと、それじゃ〜私としない?、約束」


「約束・・・なに?約束って」


「お休みの日はお仕事しないって・・・私とだけ遊ぶ〜」


「それは無理だなって言ったら?」


「じゃエッチさせてあげない・・・お仕事するなら・・・」


「あ〜・・・違う意味で無理だって思うけど・・・」


「お仕事と私とどっち大事?」

「マッケンジー、私とエッチできなくていいのか?」


「じゃー聞くけど僕はエッチしなくても我慢できるけど?・・・クリスマスは?

我慢できるのか?」


クリスマスは自分の唇に人差し指を当てて上目遣いに天井を見上げた。


「ほらな? 我慢できないだろ?・・・だからエッチさせてあげないなんて

言わないの、どだい無理なんだから・・・」


つづく。


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