12/8
なんでお菓子セットを提案されて暗礁が手強くなったかと言うと、俺が幼稚園の大きい組くらいのころ、両親からクリスマスにお菓子セットをプレゼントされて大変がっかりしたことがあるからだ。
お菓子は食べたらなくなってしまう。クリスマスの記念に残るのはお菓子の入っていたブーツ型の袋だけだ。悲しくてギャン泣きしてめちゃめちゃ𠮟られた。当時、理不尽だと思った。
だからできるなら、食べるだけで終わってしまうプレゼントは与えたくない。
そんなことを考えていたら、翔平がぴょんぴょんと近寄ってきて、よいしょと俺の膝に座った。こいつスライムのくせに完全に猫だ。
「翔平、おめはどうせばいいと思る?」
もちろん返事はなく手を甘噛みされただけだった。スライムは強酸性なので痛い。
いまの光なら、クリスマスというものをそもそも知らないので、お菓子でも喜ぶのだろうか。しかし光は俺の性格を色濃く受け継いだ子供だ。どうせなら俺がモニョらないものをあげたい。
うーむ。こっちの世界では魔物が出るから木刀か? いまから鍛えれば王都の騎士団にも入れるのでは。でも子供のうちに筋肉つけると背が伸びないっていうしな。
光は焼き芋が欲しいといったわけで、干し芋とか芋けんぴでもいいような気もする。
でもそれは俺が満足しないのだ。どうしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます