心霊現象4 幽霊について疑問に思ったこと(続き)
疑問2「見える霊と見えない霊」
ふーふーさんに遭遇した次の日の夜。
さすがに連日はないだろうという、不確かな自信が
「!!」
しかし、間髪入れずに幽霊と接触。私に何かしてきます。
されていることは不快にさせるだけなので書きませんが、前と後ろに1体ずつ。そして前に居る1体の隣、頭の上の辺りにも1体。計3体の幽霊に遭遇しました。
四方八方から私に集結する彼らはまるで、勝利した瞬間ベンチから一斉に駆け寄る野球選手たちのよう。
そしてこの時は複数人が一度に現れることがなかったので、初めての体験にかなりの衝撃を受けた私でした。
されていることが怖すぎて、もう懲り懲りだと半泣きになりながらも拒絶しようと思ったその時です。
私はあることに気付きました。
あれ? 頭の上に居る人だけ見えるぞ?
なぜかその1体だけ、私は姿を捉えることが出来たのです(ちなみにその幽霊には何もされていません)。
赤いキャップを被り、肩につくくらいの黒髪。
そして白のもちっとした素材のトレーナーに、グレーのスエットパンツ。
お、お洒落かもしれん……!
私は見えない1体に何かされながらも、探求心が勝ってしまう。正座をするその子を見上げて観察しました。
ストリート系の格好が好きな私は、肩の力が入り過ぎていないその格好に太鼓判を押しつつ(何様じゃ)、この子は少し前に亡くなったんだろうなぁと思いました。
なぜかと言うと、その子の顔のパーツが無かったからです。
つまり、のっぺらぼうなのです。
聞いた話(真実かどうかは別)によると、亡くなった人は鏡を見なくなるから、いつの間にか自分の顔を忘れて分からなくなるそうです。
でもその子の格好はあからさまに古くはないので、少し前なのかなと感じました。
そういう見解です。
次に、この子は一体何をしているんだろうという疑問が浮かびました。
目はありませんが、不思議と私をじっと見ていることは分かります。睨まれているような感覚もありません。
ですが、なぜこの子だけ見えるのだろう?
そこも疑問でした。
そして私なりに考え付いたのが、この子は他の2体よりも力(エネルギー)があり、見張りの役目を担っているのではないかという答えに至りました。
まず幽霊は、人間と接触することによって養分である生気を吸い取り、自分のエネルギーに変えているのではないかと仮定します。
そして次に、この時の私と幽霊にその仮定を当てはめてみると分かってくると思いますが、一度私の妄想を挟ませてください。
前後2体の幽霊はある日、エネルギー切れか省エネのため、姿を見せずに人間から養分を補給したいと考えます。
すると2体は、元気そうな赤キャップを被った幽霊を見つけます。もしくは既に知り合いなのかもしれません。
霊1
「よう、兄ちゃん」
霊2
「元気そうやな?」
赤キャップ
「あ、まぁw」
霊1
「見て分かるやろ? お腹空いてんねん俺ら」
霊2
「兄ちゃんええなぁ。俺らも腹いっぱいになりたいわ。つーことで、兄ちゃん」
霊1・2
「「ちょっと協力してぇなぁ?」」
赤キャップ
「あ、全然いいっすよw」
そんな風に2体は赤キャップに協力を頼み、そして交渉を成立させました。
ですが赤キャップだって、貴重なエネルギーを使いたくはないのでしょう。
実際には、金縛りでも起こしてる風に私を見つめるだけ。心ここに在らずです。
なので私は、この赤キャップの子に恐怖を感じなかったのだと思います。
私は観察し終わったので(およそ2秒)、この状況から抜け出そうと身体を振り払おうとしました。
しかしその矢先、またまた背後にある気配に気付きました。昨日と同じ腰の辺りです。
ひえっ、4体居たの?
そう戦々兢々としていると、4体目が私の腰の辺りを跨ぎました。ですがすぐに背後に戻っていくのです。
だって前にはもう幽霊が居ますから。
私は心の中で「びっくりさせないでよー」と、泣きながら叫びました。
それと同時。背後にちょこっと座ったその4体目も叫びます。
「ふー! ふー!」
ちょおいっ、ふーふーさんやないかい! もしかしてこの3人を連れて来たりしてないよね?
お陰で私の恐怖はMAXに吹き飛びました。
すぐに4体を振り解いて、無事に私は幽霊たちと別れることが出来ました。
以上です。
なんとなく私は、見える霊と見えない霊が一緒に行動していることが不思議に感じました。
でも幽霊にも色々と事情があるのだろうと考えれば、別に変ったことではないのかもしれません。
あと疑問に思ったことは、ふーふーさんの手が温かいのに対し、お兄さんや他の霊の手は冷たかったんですよね。
幽霊によって体温が変わるのでしょうか? 不思議です。
でも心霊を体験して、私は一つ勘違いをしていたことに気付きました。
それは幽霊と遭遇が出来るのは、霊感のある人だけだと思っていたことです。
幽霊側の力が強ければ誰でも感じることが出来ますし、私のように押しに弱く、悩みがあって心に付け入る隙があると格好の餌食になってしまうので、どうか皆様も気を付けてくださいませ。
とにかく幽霊に興味を持たないことが一番だと感じています。
なので最近の心霊ブームに流され、小説も書いてしまう私のような作家さんも危険だと思います。
興味を持った人がたちまち心霊の体験をするようになったという話もたくさん聞くそうなので、本当に注意が必要です。
私の賃貸の家は事故物件ではないですけど、建物自体で幽霊を2回見たことがありますし、きっと普通に道にも居ることでしょう。
いい幽霊も居るかと思いますけれど、関わらないのが賢明……って、不思議好きの私は煩悩まみれで、既に怪談界隈に推しも出来てしまいましたー!
可愛くてお洒落な女の子が居て、もう夢中なのです。でもほどほどにしなきゃなとも思っていますよ?
では次回はお兄さんについてです!
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