超日本列島大戦
「あれ、お兄ちゃん、見ない顔だね!」
「……」
という北海道弁の訛混じりの活気の良い挨拶を受けながら、零血は買い物していた。
一時間程度前に、零血は択捉島から北海道本土に渡航した。
現在の場所は北海道の地元のホームセンターである。地元あるあるなのだが、こういう所では食品系やら生活用品系、その他もろもろが一箇所に揃う便利な商業施設がある。それがこれである。
「なんか、目を合わせない変な人だね……」
「ねえ……」
「……」
パートのお婆ちゃん達から早速、零血は変人扱いされた。
零血は決して人と目を見つめるという行為には走らなかった。だからいつも日本では不審者扱いされるのだ。だがそれには極めて深い理由があるのだ。
「999円になります」
「……」
それから零血は択捉島では手に入らない品物を買うと、会計を済ませて、ホームセンターから退出した。
買い物袋を持って、再び択捉島に帰還しようとする。
「?」
零血はホームセンターの入口で周囲を見渡した。
零血は久しぶりに訪れた北海道本土に違和感を感じていた。何故か一年前までは平和な場所だったのに、今では険悪な雰囲気を漂わせている。武装集団が多く見られるし、択捉島からの旅路で、道のあちこちに軍事基地のような施設も確認できた。
さらにはIR機体をも改造して、それを使って進撃させているのだ。まるでこれから戦争でも始まるかのように。異様である。
そして遂に、零血の前で究極的な出来事が発生したのだ。
「!?」
先程眼の前を通り過ぎた巨大なIR機体は、さらに前方から進撃してきた巨大なIR機体から攻撃されたのだ。ブレードを使用し、一刀両断したのである。
戦闘を目の当たりにして零血は度肝を抜かれた。さらに攻撃を仕掛けたIR機体を見ると、
「超日本帝国……?」
零血の双眸に、IR機体に搭載される超日本帝国の国旗が映し出されたのだ。それは明らかに戦後現代の日本とは異なるものだった。
よく見ると、既に攻撃された地面に倒れたIR機体にも国旗が装着されているではないか。
「抵抗軍……?」
北海道全土に侵略する謎の集団と、それに抗う抵抗軍が激戦を交わす。
「一体、どうなっているんだ……?」
零血は択捉島で文明社会から己を乖離させていたので、日本の情勢には全く疎かった。今誰が首相なのか、今どんな方向に国が向かっているのか、そして今どんな国の名前にになっているのか。それすらも把握できていないのだ。
だがしかし零血は国の行く末を一瞬で把握した。
「日本では内戦でも起きているのか……?」
そして超日本帝国軍は圧倒的な軍事力を持って、北海道本土をさらに侵略していくつもりなのだ。強化IR機を複数使用して、端から端まで軍事施設を壊していっている。
もしこのまま侵略が完了してしまえば、恐らく、彼らは、あ
「……」
買い物袋を持ちながら、零血は決断を迫られた。
零血には特別な能力があった。EQ200の天才である彼には、他人を乗り移って、操作する能力が賜われていたのだ。
だが。
絶対にもう二度と能力は使わないと自分と約束したんだ。小学校の時にイジメを止めようと能力を使って、俺は最悪な結末を引き起こした。いじめられっ子といじめっ子、そして学校全体まで俺は不幸にしてしまった。
そして今は能力を使用しなければ事態は最悪の方向に向かっていくのも、自明の理であった。
だから零血はより最悪な運命を避けるために、封印していた能力を発動させた。
視線をIR操縦者に移動させて、乗り移ったのだ。それまで縦横無尽に暴れ回っていたIR機体は逆方向を振り向くと、超日本帝国軍を相打ちし始めた。
「おい!お前!俺たちは味方だぞ!何をしているんだ!」
「……」
という超日本帝国軍の無線を無視しながら、零血は北海道侵略を阻止するために攻撃をしていく。
それから数分後。
零血は自分の能力を駆使して、少なくとも周囲で暴れ回っていた超日本帝国軍のIR機体を潰すことに成功した。彼は全ての普通の人間に対して能力を使えるので、敵と対峙すれば一瞬だけ乗り移り、その間に、攻撃すればいいだけなのだ。
「移動でもするか」
零血は買い物袋を持ったまま、ホームセンターから中央防衛軍基地に移動を開始した。最初に乗り移ったIRを操作しながら、自分の身体を機械の手に乗せて行ったのだ。
ものの数分で、中央防衛基地に到着した。
「おいお前!そこで止まれ!」
と衛兵が日本刀を構えて、注意をした。
本来なら零血という部外者は抵抗軍の基地に入ることなど許されないのだが、能力を使って侵入することにした。中央防衛基地の入口で護衛している衛兵の身体に乗り移ると、零血は堂々と入口から入っていった。
ただひたすら長い廊下を歩いていく。廊下の脇には抵抗軍のマークらしき物が見えた。零血は自分が過ごしていた数年間で日本が変貌を遂げてしまった、という事実を改めて感じた。
廊下を曲がりさらに進んでいくと、通路の奥に、メインルームらしき巨大な石扉が視認できた。どうやらそこを通れば、抵抗軍の中枢部の連中に会えるのだろう。
外部者である零血が遂に、中央防衛基地の中枢部まで到着した。
メインルームは管制室のような巨大な一室だった。部屋の前部の壁面には数多くのモニターが設置されており、内戦の状況を鮮明に映し出している。
メインルームの中央部分には、抵抗軍の要となる重要な人物たちが一箇所に集っている。厳格な軍事服を纏った軍人やら白い白衣を着た科学者やらが大勢揃っているのだ。その中でも一段と際立っているのは、抵抗軍の元帥なのだろう、人物だった。
零血が入口から大勢の人間に迫っていくと、軍人の一人が振り向いて口を開いた。
「お、お前は誰だ!?」
という疑問は当然だった。
「誰なんだこいつは?」
「怪しいものじゃないのか?」
「早く取っ払え!」
一人が零血の存在に気づくと、他の抵抗軍の人間たちも振り返り、気づいた。そしてこの謎の人物が誰なのか、一様に訊いていた。
だがしかし一人の言葉によって、喧騒は静まり返った。
「彼は私が招集したんです」
「元帥殿、貴方がですか……!?」
「ああ、そうです」
しかしながら抵抗軍総帥のその台詞は、彼自身からではなく、零血から発せられたものだった。
「という事で、今から俺がこの抵抗軍の指揮を取らせてもらう」
零血はそのまま元帥が座するであろう巨大な椅子に座ると、択捉林檎をテーブルに置いてから、抵抗軍のリーダーになった。
日本は急激な変貌を遂げていた、というのがモニターから把握した状況だった。
これまでの日本とは打って代わり、日本列島は大幅に拡張されて、超日本列島となっていた。一体どんな経緯でここまで急速な改革が成されたのだろう。
抵抗軍の状況は最悪だった。
北海道全土は既に壊滅的な被害を受けていた。中央防衛基地以外は崩壊させられており、跡形もないほどである。だがなぜか軍事施設以外の全ては綺麗に残っている。
さらに追い打ちをかけるようにIR達がこちらにも接近してくるのだ。数は9体、もちろんだが、このまま何もしなければ完全に敗北である。
対抗しなければならない。それでは具体的にどうやって成し遂げるのか。もちろん、己の能力を使用する必要があるのは明らかであった。
あいにく状況を確認するマップは極めて制限されているようだ。敵側が何かしらの妨害でもしているのだろう、超日本列島のほとんど全てはここからは視認することが不能である。
それならば自分の思考で超日本列島を照らせばいいだけだ。
零血はそう思い立って、再び深い思考へと己を埋めていった。
「……」
北海道本土に思考の風が吹き荒れる。
零血は能力を駆使して、人から人へと乗り移っていく。圧倒的な超スピードで、僅かにして超日本列島の全体図、敵側の軍勢の位置をも把握したのだ。
そしてそこで思考を切り止めてから、零血は中枢部の連中に指示を出した。
「超日本帝国だと……」
零血は、客観的な事実として初めて日本が完全に狂ってしまったと、そう確信した。一体どんな首相がこんな急速的な改革を進めて、自国で内戦を展開しようとするのだろうか。
「実は数週間前から首相は謎の人物に人質に取られてしまったんです」
と零血の脇から説明を入れてきたのは、女性の軍人だった。
「謎の人物……?」
あまりにも超次元的な概念と単語と物語の登場に、零血の天才的な頭脳は既にオーバヒートしていた。ここは本当に現実であり、地球なのだろうか?それとも実は全てはシュミレーションであり、ここは神の子供向けの児童公園か、その隣の三丁目の山田さん宅か、それかやはり、さらに隣の神のおもちゃ箱辺りなのだろうか、でも……などという思考を弄ばせていると、
「Qという能力者が登場して、世界侵略を始めたんです」
「Q……?世界侵略……?」
零血はとうとう笑いを零した。久しぶりに笑った気がした。
なんという物語だろう。一体このQという人物はどこまで狂ったシナリオを描いているんだ。首相を人質に取って、世界侵略を展開していく。
「……」
だがしかしながら、零血はそんな狂ったシナリオに対して幾ばくかの親近感を覚えていたのだ。それは零血が子供の時に脳内に描いた幼稚なシナリオにそっくりだった。
一抹の郷愁を感じながら、零血は指揮に移行していく。
予想外の展開に、愛九は苦戦していた。
「どう、なっているんだ……?」
危うく思考停止にまで陥る始末。
後少しで北海道全土は愛九の手中に収まるはずだったのに。それなのにいきなり奇襲を喰らったのである。それも謎の能力者がやったとしか思えない奇抜な方法によって。強化IR機体は瞬く間に粉砕されてしまった。
だがしかしここで立ち竦む時間は残されていない。今すぐにでも唯一屹立している中央防衛基地を粉砕して、抵抗軍に降伏を強制するのだ。
「増援を要請する!」
そして愛九は念の為にと、ストックとして用意していた新品のIR機を出動させた。その数は5体である。京都府付近から既に移動している。
だがその時にはもう、北海道全土に散らばっていた超日本帝国のIR機体は全滅していた。抵抗軍によって粉砕されたか、奪われてしまった。
愛九はただただ指を咥えて、ただ予備のIR機体が到着するのを待つしかなかった。
「これで一段落と……」
北海道全土から超日本帝国軍を追い払って、零血は安堵の息を吐いた。だが安堵に浸ることはなかった。
既に新たに手に入れた強化IR群を使用しながら、零血はさらなる進撃を行っていく。北海道から海を超えて超日本列島にIR達を着地させたのだ。
究極的な目標は、超日本帝国などというふざけた独裁政権を覆すのである。このまま謎のQから操作された首相によって、世界侵略にまで行われてしまうと、世界は危険な状態に陥ってしまうのは確実である。
超日本列島の大部分は埋立地であり、そして幾つかの部分には、自然の領域、ジャングルが存在している。これらの地帯は視界が悪く、一体自然の中に何があるのか遠くからでは確認できない。
なので零血は持ち前の特殊な能力を駆使して、ジャングルの中に思考の風を吹かせていった。人から人を伝って、ジャングルの中に視線を送ったのである。
ジャングルの中には隠しIR機体が待機していた。だがそれらはあくまで遠距離攻撃用である。これが敵軍の秘策なのだろう。こうやって抵抗軍が、京都付近にまで侵攻していくと、ジャングルから奇襲を仕掛ける。
愛九には未だに負けるという気がしなかった。なぜなら超日本列島には幾つもの罠が仕掛けられているのだ。ジャングルという自然区域は、ただ環境保護という名目で設けたわけではないのだ。
ジャングルには小型のIR機体が設置されている。念の為にと、愛九が超日本列島を建設する時に仕込んでおいたのだ。
しかしながら、そんな姑息な罠は見抜かれているという事実に愛九は気づくことはない。
北海道から進撃を進めていく抵抗軍はジャングルから放たれる奇襲をいとも簡単に避けていくのだ。まるで全知全能の神のように、一発も直撃することもなかった。
「どういう事だ……?」
愛九は完全に困惑していた。
幾重にも仕掛けられた罠を、抵抗軍が次々と看破していくのだ。ジャングルの中で秘密裏に用意していたIR機体は既に破壊されてしまった。
「もしかして、抵抗軍の中にも能力者がいるのか……?」
辿り着いた結論はそれだった。
いいや、それしか無い。なぜなら地元に遍在していた能力者は悉く粉砕していったのだ。
だが北海道本土のさらに北、択捉島などもあるのではないか。あんな北端の島に、まさか能力者でも住んでいたというのか?一体、どうして?EQ200という天性を持ちながらも、どうして、そんな辺鄙な地で暮らすのか?完全に才能の無駄じゃないか。
そんな思考を巡らせながらも、愛九は絶望を余儀なくなされる。
「くそ……」
既に形成は逆転されてしまった。だがしかしながら諦めるわけにいかない。ここで敗北を喰らったら、世界侵略の道は完全に閉ざされてしまう。
愛九は苦渋に満ちた決断を迫られた。
ここで抵抗したら、もしかしたら被害が出るかもしれない。罪のない人間がIRの機体によって踏み潰され、死んでしまう。
だがここで投げ出したらさらに悲劇は続いていく。既に賽は投げられたのだ。
「このまま進撃してくれ」
零血が秘策を事前に看破して、抵抗軍は完全に軍配を上げていた。
超日本軍の軍勢を押しのけて、さらに進撃を進めていく。IRは5体のまま、超日本列島のトップレーン、ミドルレーン、そして最後にボトムレーンの三方向から、独裁政権の本拠地である京都まで同時進行していく。
「このまま行けば、もうすぐ大戦は収まるだろう」
抵抗軍基地で、零血はそう告げた。
「よくやった!零血!お前は日本の英雄だ!」
「……」
メインルームでは安堵の声が広がっていく。史上最悪の内戦をみんなが予期していたのだが、どうやら避けることが出来たようだ。
相変わらず零血は誰とも目を交わすことなく、さらに指揮を続けていく。
「くそ……諦めるものか……」
だがしかし、愛九は粘りを見せた。
圧倒的な不利にも関わらず、愛九は同時に複数体のIRを操作することによって、奇跡的な逆転劇を見せたのだ。寸分の狂いもない圧倒的な連携技を弾き出して、零血を含む抵抗軍のIR機体を薙ぎ倒す。
「馬鹿な!?」
超日本帝国軍の無駄な足掻きだと思っていた零血は、衝撃を受けた。
数で劣勢である相手軍は、まるで己の手足のように複数のIR機体を滑らかに操作してきたのだ。それはまるで芸術のような美しさであった。
「よし、これで勝機は僕のものだ」
形勢は再び翻った。
優勢だった抵抗軍は今度は追い込まれていく。京都府まで迫っていた抵抗軍は再び北の大地の方向に戻っていく。そして超日本列島の中央部分にまで到着。
現在状況はIR機体だけを考慮すれば、五分五分である。抵抗軍のIR機体の合計は5体。対する超日本帝国のIR機体の合計は5体。
超日本帝国軍が逆戻りしていく抵抗軍を追いかけて、限界まで肉薄した。
「正々堂々、勝負しようじゃないか」
そして超日本列島の中間部分で、再び戦闘の火蓋が切って落とされようとしていた。
そして遂に、超日本列島大戦が苛烈を極めようとしていた時だった。
五対五の大勝負。超日本列島の上では五体のIRの機体が睥睨しあい、今にも日本の歴史に最も凄惨な内戦として刻まれるであろう、大事件が勃発しようとしていた。
そして機体達は、侵攻していった。
愛九には絶対に勝つ自信があった。なぜなら彼は同時に操作できるという最大の利点があるからである。IR機体を別の人物が操るということは、例えどんな訓練を受けていても、連携が極めて難しい。
だが愛九はそれらを淀みなく一つの精神の元で操作できるのだ。負ける理由は見当たらない。
「僕の勝ちだ!」
と確信しながら、愛九は同時に操りながら、進撃していく。
「バッドエンド!」
だが衝突する寸前、衝撃的な事態が発生したのだ。
「あああ!!!」
愛九のタブレットの画面端、つまり首相官邸を映す枠なのだが、そこで流血が迸ったのだ。なんと僕の父親である哀田首相が何者から闇討ちされたのだ。
鍛え上げられた屈強なるボディガード達が首相官邸内外に完璧配置されている為、怪しい者はもちろんだが、敵も侵入することは不可能である。
だがしかし、現実は異を唱えている。
「父さん!?」
愛九は奇想天外の珍事に一瞬だけ気を取られた。結果として、愛九はタブレットの画面から目を離してしまい、IR操縦を反射的に止めてしまう。
「……」
そしてその一瞬が、超日本列島大戦に於いて、命取りになったのだ。
「しまった!!!」
まるで未来を予知しているかの如く、抵抗軍は愛九の一瞬の油断を狙ってきたのだ。複数同時に操作していたので、意識を覚ました操縦者達は何も抵抗できなかったのだ。
そして超日本帝国軍のIR機体は完全に粉砕されてしまった。
「ど、どうしたんですか、愛九お兄さん?」
「え……?」
ハッとした。
愛九はタブレットから目を逸らすと、塾内の教室を見渡した。そこには呆然とする生徒達の姿があった。愛九は思わず心の叫びを外に出していたのだ。
「ああ、何でもないよ……」
愛九は恥などという外聞を捨てて、再びタブレットに視線を移動させる。
「どういう……事……なんだ……?」
愛九は困惑という名の迷宮の淵に立たされていた。
何故か、首相を襲撃した人物を乗り移ることが出来ないのだ。愛九の父親は能力者ではないはずなのに。それなのに、どうして。
そこで愛九は激甚なる悟りを開いた。
「ま、まさか……」
いや、あり得ない。だって、相手は未だにあんな遠くにいるんだ。
「相手の中に能力者、それも特殊な能力を持っている人間がいるっていうのか……?」
愛九は北海道の方向に視線を送る。
超日本列島の真ん中を貫くミッドレーンを通って、さらに北上。海を越えて、本土に到着すると、北海道抵抗軍中央基地のメインルームに座する一人の男、零千零血を見透かした。
がり。
択捉林檎を齧り、零血は勝利を宣言した。
「これで抵抗軍の勝利です」
零血には人に乗り移る能力、そしてさらに乗り移った相手から他の相手にも憑依する能力があるのだ。それを利用して超日本列島を跳躍した。北の大地である北海道から、ミッドレーン、そして超日本政府の本拠地である京都府京都市の首相官邸まで。
零血は、別の方向のEQ200の天才であった。同時に人を操るという幅としてのEQ200の天才である愛九に対して、零血は深さという方向でのEQ200の天才だった。
「もう駄目だ……」
だがしかし、愛九はもう己の敗北を悟っていた。聴衆は完全に抵抗軍に傾いているのである。まるで暴動のように否定派が集団となって京都に向かっているのだ。
こんな状態ではIRを使った内戦など継続できるわけもないだろう。もし続けようなどとしたら、必然的に罪のない人々を巻き込んで、死者を出してしまう事になるのだから。
なので愛九は内戦を中止して、新たなる策を弄した。
「これから無期限で、京都を鎖府します……」
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