雪辱
「産まれたわ!男の子よしかも双子の!」
「よくやった、エリー。本当によくやったよ。」
ん、、、、、、、ん?
生きてる?
いや、死んだはずだが、、、、
そんな思考も暖かい空気と2人の人が否定する。
転生?、、、なのか?そっかしちゃったかぁー転生。しかも、俺には弟がいるらしい。話せるようになるのがすごく楽しみだ。
しかも現世より気持ちいいなんだか空気とは別のものにつつまれているようだ。
うぅぅぅむ、、、わからんな。
ん?これ動かせるのか、、意味が分からないけどちょっと面白いじゃないか。
「え。ッ!この子もう魔力操作してるわよッ!!」
「ほんとか?そうだとしたらこの子はすごい子になるよ。」
ほぉ、、、魔力か、面白い。前世にはなかったものだ。ちょいワルへの鍵を握ってるかもしれない。どうせ体は動かないのだ。魔力操作でも鍛えて暇でも潰すか。。。。
〜12年後〜
「うん、もう前世と遜色はないな、、、結構時間がかかってしまったがようやく追いつけた。ちょいワルへの道は遠い地道に進むしかないか。」
「兄様ぁあああ〜。兄様ぁあああ〜」
弟が読んでいる。2日だけだが俺にしたら16年と2日だ。どうしても兄としての意識が強い。
あぁ、いいな俺って今は最高に自由だ。
おっと、呼ばれているのに考え事をしてしまった。
「どうした。」
「兄様そろそろ食事にしましょう。今日はこー〜んなに大きな鳥を捕まえたんです!!一緒に食べましょう!」
そう言って目の前に大きな鳥を差し出す。種類は分からないがとてもでかい
「おお。すごいな!」
なに? 、今日は俺も狩れていないのに、、、我が弟ながらすごい。
そして今日も可愛い。
ダメだな前世にいなかった弟だ。どうしても溺愛してしまう。
いつだっただろうか?狩りの途中で逆に襲われているところを助けてから妙に好かれている。
そんなこともあってか。。。。ふぅ、つくづく弟馬鹿だな俺は。
今世では幸せしかない。
裕福では無いがとても暖かい家庭で自給自足で暮らしている。父は反対したが10になった時から狩りに出ている。
平民だからか、俺達には苗字がない。家族紹介をするなら
ガレスが父名の知れた騎士だったらしい。しかし、引退したらしく俺は働いているところを見た事がない。
エリーが母でこちらもまた、名の知れた冒険者だったらしい。
そして我が弟アリスは力が弱い。だが、、とてつもなく頭がいい。いつも罠を使って素早く仕留めてしまう。いや、最近は銃もどきのようなものを自作していたな。どちらにしても末恐ろしい。
感が効くというのか?いつもいつも、最適解をものの数秒で導き出してしまう。
ちょいワルとして生きていくには群れなきゃイケナイということは前世のせいで痛いほどわかっている。
もし、群れを作るならアリスを側近に起きたいほどだ。アリスが手伝ってくれるならちょいワルになれるだろう。
「兄様、、、あの、、、その、、、、、」
弟がモジモジと見つめる。
おっと忘れていた。
がしっと弟の頭を掴み撫でる。
「よくやった。じゃあそろそろ帰るか。」
「えへへ。そうしましょう。」
そんなやり取りをしながら帰路に着く、、、しかし、もう既に帰る場所などなくなっていたのだ。
「「えぇ、、、、、、」」
おいおいどういうことだよ。家は跡形もなく消えていた。
ウザイほど深いクレーターとみたくもない赤い絵の具を撒き散らして。
隕石でも飛んできたのか、、、そんなふざけた考えがよぎる。でもこれは事故なんかじゃない。
まるでこちらを嘲笑するようにクレーターの中心に刺さる刀がそれを物語っていた。
「兄様、、、これ。ルシフの仕業ですよね。」
感情を押し殺しているのだろう。屈辱の赤い雫が握りしめた拳から滴り落ちる。
「ああ、こんなことできるなんてルシ家くらいだろう。。。。。」
クソッルシフは、、、俺から自由を奪った、、、ちょいワルにすらならなくてもいいのでは無いかとすら思えた家庭をうばった。
殺してヤル
絶対にぃいい!!
「アリス、わかってるよな。」
「御託はいらない、、、でしょ。兄様。」
わかっている。
「決行は今夜でいいか?」
「いえ、3日後でしょう。徹底的に潰すにはそれくらい必要です。」
アリスが言うなら間違いないだろう。
〜〜〜〜〜
あれから長いことたった気がするがたったの3日だ。この3日間でルシフ家の領内で噂を撒き散らし民主の大半を避難させた。
その副産物というのか俺はひとつのことに気がついた。
脆い。もろすぎる。あまりにも法律が脆い、いくらでも抜け道がある。いとも簡単にすり抜けられる。
これじゃあ。。。。。
「異世界って無法地帯やないかいッ!!!」
「どうしたんですか兄様。さすがにおかしいですよ。作戦は今日なんです。もっと落ち着いてください。」
うっ、そうだ。落ち着かねば。
この法律を掻い潜れたのも弟のおかげだ。
「いいですか兄様、兄様は正面から堂々と襲撃してください。そのうちに僕が魔力炉を壊して混乱を起こします。」
「魔力炉?」
「え、知らないんですか?、、、魔力炉とは生活用品を動かすために使うものです。確かに僕たちには馴染みがないかもですね。洗濯機とか言う自動洗濯装置なる物もそれで動くそうです。」
「あぁ、ありがとう」
発電機ってことか?現世でも発電機を置くって思想はなかったからな、、、いや、ソーラーパネルは発電機だったか、
まあいいや。金持ちだからこそのことだろう。
でも。これって、、、、
「ちょっと運任せ過ぎないか?」
「はい。確かに魔力炉に警備がいないとは思えないし。そもそも相手はあのルシフです。しかしこれ以上の作戦は、、、、」
確かに今の強さだとこれがベストなんだろう。運任せと言えどそれほどの運がなければそもそも勝てない。
なんせ相手はあくびの様に山を消し戦術兵器なんかより強いのか。。。
それでも俺の障壁である以上ちょいワル以下なのが驚きだ。。遠いなちょいワルの道は。。。
「2人で魔力炉を攻めよう。これが一番じゃないか?。」
「ですね。。。。。。。」
「アリス、、行くぞ。。」
「はい」
魔力炉まででも潜入すればすぐにバレるだろう。苦し紛れだが認識阻害の魔術を使ったが。いつまで持つか分からない。
小さい時から練習したせいか魔術に関しても少し自信がある。あぁ。自分がいくらちょいワルから遠いのか改めて実感する。。。。クソ……
「兄様ここです!これを投げ入れてください。」
なんということか。魔力炉までバレなかったな。すげぇな俺の弟って。こんな完璧なルートを3日で導くなんて。
ここまで誰にもバレていない。さらに今渡されたのも爆弾じゃねぇかよ。どうして作れんだろうな。。こういうの、すげぇ。拳で破壊するのかと思ってた俺とは大違いだ。
手榴弾を魔力炉に投げ込み避難する。
ドンッ!!!
今のうるさい爆発音により
戦闘の火蓋は切って落とされた。
半瞬もせず刀が。。。。。斬撃が飛んでくる。
「クソ、、はえぇ。隠れてろよアリス。」
「あれぇ?おかしいなぁ。殺ったと思ったんだけど、、、、」
「ふっこんなのdッッッ!!」
いきなり外に吹き飛ばされる。とっさにかけた身体硬化の魔術がなきゃ今は壁と一緒に塵になってた。えぐいなこいつ。
「君やるねぇ。なに?野党??ここまで侵入されたのは初めてだよ。」
大丈夫だ。流せばいいだけだ。いつも通りだ。
「会話する気0?ぇぇぇもったいない時間稼いであげてるのに」
こいつだけじゃないはずだ。できるだけ早く処理しねぇと殺られる。
「じゃあ、、、、、、、、、、、死のうかw」
ぬっ??速すぎんだろ目がかろうじて反応できる速度だ。そして斬撃も重い流したはずが怪我してらぁ。
「えぇ、何それつよっw」
大丈夫流せてはいる負けない。。。。
炎だって強く燃えてるんだ。
一方的だった。ずっと攻めるもの、ずっと受けるもの。構図は変わらず戦闘のみが加速する。
やべぇ。。。傷は増える一方であいつは余裕だ。
グッ。。。
いきなりエンジンかけてきやがった。はぇぇ。そして重い斬撃には慣れたが直接殴られるときつい。
こっちもかけるしかない。廻せ魔力、、!!
グッ。。斬撃が腹に直撃し、肉をえぐる。消し飛ばないのはどちらの技量なのか分からない
「《加速》」
「何?本気?いいねぇっw」
余裕の笑も刹那に消えた。仁王立ちをする男の腹に突き刺さる。。
出せた俺にも。。あいつのやってた空間ごと軋ませる一撃。
怯みよろけ空いた土手っ腹に叩き込む。
「ガッグフッ、、、、やるじゃん。もっとやろう君とならもっと楽しめそうだ。。」
「やめろ。グレン。はしたない。そして、、おい小僧覚悟はあるんだろうな?天下のルシフを攻めるとは、、、、死刑のみじゃすまないぞ。。。」
「おい。アリスを離せ、殺すぞ。」
アリスだって弱くはない。さすがルシフ家か山を消すまでは嘘だろうけど。名に恥じない強さはあるのか。
クソッ!!!!
「フォフォフォ、よく吠えるのう。弱い犬は。。ほれ、どうじゃ逆らえるか?
逆らえんじゃろうwww今ならこの男は瞬殺してやるぞ。」
「やめろ、、弟だぞ俺の。ちょいワルの弟なんだぞぉおおおおお!!!」
足にはち切れんばかりの魔力を注ぐ。今だけ今だけは音すら追いつかせたりはしない。
ちょいワルは自由だ。
自由はなんも奪われたりしない、、、
だから。絶対に奪わせない。
「なッ、、グレン!」
「ガハッ!」
パタリと倒れる。なんの前触れもなく、、
「クソッわしはルシフの一族じゃぞ。。。負けるか。負けるかぁああ
がァッ!!!!」
大きく空間が揺れた。今までで一番いい拳だ。手から離れたアリスを受止め背を向け全力で走った。筋繊維がミチミチと避ける音が下が気にしない。ただ全力で走りつづけた。
グジュっ
相手に背を向けたせいか斬撃は飛んできた。散漫になった注意力のせいかいつもより流せず大きく抉られる。
クソ、クソ、クソ、、、また挑戦してやる。。殺ってやる。。。
絶対、絶対にだ!
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